バレイショ異常株AIで検出/農研機構、シブヤ精機、十勝農協連

農研機構、シブヤ精機㈱ならびに十勝農業協同組合連合会は8日、AIを活用したバレイショ異常株検出支援システムの試作機を開発したと発表した。
広大なバレイショ圃場から病気に感染した異常株を検出し、その位置を特定して作業者に知らせる異常株検出機構を圃場管理車両に搭載したもの。2026年度から順次、北海道内複数JAに試験導入し、試験で得られた結果を基に改良することで実用機につなげていく。
同試作機は、種バレイショ生産における管理作業で最も重労働とされる異常株の抜き取り作業を省力化する目的で開発された。試作機はカメラ・処理装置・結果出力装置、GNSS受信機、日除けと、それらを搭載する車両によって構成される。
カメラに異常株が写った場合、音やライトで作業者に報知するとともに、出力結果などをモニターに表示する。画像から各株を特定することが困難な生育中期は、カメラに異常葉が写った場合に報知・表示する。
車両の現在位置と異常株の距離を表示できるため、誰でも容易に異常株を特定可能となっており、テストでは生育初期・中期ともに、1回当たり検出精度83%の目標をクリアした。
また、乗車できる車両も開発してほしいという現場の要望に応えて、圃場管理車両搭載型以外にも電動乗用カートも開発した。日除け・カメラと座席は、高さを変えることができ、カメラと株の距離を一定に保つとともに利用者の視野を確保。左右後輪を独立駆動させ、圃場内でも安定した走行が可能になった。
試作機の運用法は、①車両を走行させ、異常株を検出したらその場で抜き取り、抜き取った株を台車に載せて運ぶ②作業者が撮影して異常株の位置をマッピング。その後ピンポイントで抜きに行く―の2種類を提案。
試作機では時速4㌔で自走しながら最大6畦の異常株を準リアルタイムで検出し、従来の目視判定に比べて作業効率6倍を実現。
対象品種は、「トヨシロ」「コナヒメ」「キタアカリ」で国内生産の3割以上をカバー。延べ13万以上のAIの教師データにより、判断が難しい軽微な病徴も検出可能なほか、ユーザーに使ってもらいながらAIの教師データに使える画像を収集する仕組みも有する。
農研機構は試作機を国内の種バレイショ生産現場約4500㌶に普及することで、異常株抜き取り作業の軽労化・効率化及び経験の浅い人でも抜き取り作業を可能にし、バレイショ種苗生産面積の回復や担い手不足解消に貢献するとしている。






