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令和8年4月13日発行 第3594号 掲載

北九州市に非常用発電システムの新工場/ヤンマーエネルギーシステム

 ヤンマーホールディングス㈱(山岡健人社長)のグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム㈱(山下宏治社長)は、データセンターにおける非常用発電システムの旺盛な需要に対応するため、福岡県北九州市に新工場の建設を開始する。同工場は、製造子会社であるヤンマーエネルギーシステム製造㈱の中核拠点として2028年内に操業を開始する計画。工場用地取得に当たり、同社は7日に北九州市と立地協定を締結した。
 ヤンマーエネルギーシステムは今後急速に拡大するデータセンター向けのBCP需要に応えるため、2025年10月に大容量非常用発電システム「GY175シリーズ」を発表した。既存の2000kVAクラス対応機種に加え、2026年度以降に3000kVAクラス、2028年度以降に4000kVAクラスへと展開する。
 今後は北九州新工場を主軸に、AIをはじめとしたDX推進に不可欠なデータセンターに加え、工場やビル、病院などの大規模施設のBCP需要に対応できるラインアップ強化と供給体制の整備を進める。
 将来的には非常用発電システムに加え、カーボンニュートラルに貢献するエネルギーシステム機器の生産も視野に入れた、エネルギーシステム製造における中核拠点として本格稼働を目指す。
 北九州市は、陸・海・空にわたる物流基盤やサプライヤーの集積など「ものづくり」のインフラが整った好立地である。加えて、再生可能エネルギー関連産業の集積が進むなど、ヤンマーグループが目指す方向性と合致し、福岡県、岡山県、兵庫県の同社関連製造拠点との連携も図りやすいことから、新拠点に選定した。
 〈新工場の概要〉
 ▽工場名=北九州工場(仮称)
 ▽建設予定地=福岡県北九州市若松区向洋町
 ▽敷地面積=6万2000平方㍍
 ▽操業開始予定時期=2028年
 〈事業の背景〉
 近年、クラウドサービスの普及やAIの普及・高度化に伴い、データセンターのニーズが急増している。2030年度の日本のデータセンター新増設の電力需要規模は2025年度想定値の約9倍で、以降も増えていくと想定されている。
 ヤンマーエネルギーシステムでは、昨今の電力需給逼迫や災害時における停電への事業継続計画(BCP)対策として、データセンターをはじめ工場やビル、病院など幅広い業界からのニーズに対応するため、2000kVAクラス以上の大容量非常用発電機を開発した。今後の需要拡大に対応するため、本シリーズの新たな生産工場を増設し、供給体制を強化していく。
 本機に搭載しているエンジン「GY175シリーズ」は、ヤンマーパワーソリューション㈱が舶用エンジンで培った技術に基づき開発した新しい高速エンジン。また、発電装置に対するISO規格で最高水準に当たるClassG3(ISO8528―5)への適合に加え、短時間始動や遠隔監視サービスにも対応しており、万一の停電でも、サーバー機器などを停止させることなく、データ損失や通信サービス停止のリスクを最小限に抑えることができる。
 〈主な特徴〉
 ①短時間起動を実現、発電装置に対応する動作性能のISO規格で最高水準に当たるClassG3(ISO8528―5)に適合。
 ②A重油対応による安定稼働。
 ③黒煙、白煙の発生を大幅に低減した環境配慮設計。
 ④遠隔監視サービス。バッテリー劣化診断、警報の緊急連絡などのほか、定期的なレポートを発行し、災害時に備えた管理体制作りをサポート。
 ⑤メンテナンスの容易性、フィルター類などのメンテナンス部品は片側に配置し、GY175シリーズで部品を共通化することによる部品供給の安定。

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