スマート農機実演会を開催/新潟クボタ

㈱新潟クボタ(新潟県新潟市中央区鳥屋野331)は3月25、26の2日間、同社が所有するスマート農業の体験・実演・研修・情報発信拠点であるアグリベース(村上市)にて、スマート農機実演会を開催した。「一歩先の農業を体感する」をコンセプトに、アグリロボや自動操舵、GS機能付きのトラクタ、田植機を中心に、直播や除草関連製品を含めた実演を行った。25日にはミニ直播相談会、ミニ直播研修会を実施し、来場した生産者に対して㈱クボタ農機国内本部担い手戦略推進室の牛腸眞吾技術顧問が直播栽培のポイントを説明した。
は人手不足や作業負担といった現場の課題に応える最新のスマート農機を「見て、動いて、確かめられる」イベントで、カタログでは分からない違いを実際のシーンで体感できる。単なる動作確認のみならず、実際の作業導線・運用を想定でき、圃場条件、作業人数などを踏まえた使い方までを説明。導入後に「どう使い、どう回すか」までイメージできるようにした。
実演では、アグリロボトラクタ「MR1000A」に松山のスリップローラーシーダーを装着して無人運転で作業をさせながら、有人のトラクタ「MR800GS」に付けたスガノ農機のケンブリッチローラーを操作。運転席からロボットを監視しながら鎮圧していく協調作業をして、その様子を運転席のカメラからモニターで来場者が確認できるようにした。
その他、トラクタ「SL600」にトプコン製自動操舵システムを搭載しての耕うん作業、トラクタ「SL540」とスライドモアのセット、田植機「NW―S」での可変施肥、オーレックの除草関連製品など、これからの作業を想定した各種実演が実施された。
天候に恵まれた両日、周囲の農家が春作業を進めていく中、購入を検討する投資意欲の高い農家が来場。遠くは上越から2時間以上をかけて足を運んだ生産者の姿もみられた。説明に熱心に耳を傾け、担当者と共にキャビンに乗り込んで実際の機械の感触を確かめながら、購入に向け前向きに検討する農家があちこちで散見された。
加えてミニ直播研修会ではクボタの牛腸技術顧問が直播栽培のポイントを解説。乾田直播と湛水直播の栽培面積推移、それぞれの違いや長所・短所、栽培における具体的な注意点やコツ、導入に向けた課題、必要な機械の種類など、直播にまつわる知識をわかりやすくかつ丁寧に解説した。
みどり食料システム戦略貢献部の松崎昇部長は「農機の手動作業と自動操舵作業を比較して、10%以上の燃油削減効果があることが県と行った実証実験によって分かっている。ホルムズ海峡問題による燃料供給の不安定化で燃油価格上昇が見込まれる中、スマート農業技術が農家の省人・省力化だけでなく、燃油削減の観点からも有効であることも発信していきたい」と話す。
県内の個人店のサポートを行う代販事業部の中山彰人事業部長は「農繁期直前のこの時期に実演会を行うのは珍しいこと。アグリベースがあるおかげで開催できた」と述べた。
今回の実演会について、吉田丈夫社長は「農繁期の直前のこの時期、スマート農機が体感できる場を設けるという意図で開催した。作業できる天候にも関わらず、来場していただいている生産者の方々は投資意欲が高い。スマート農機そのものもPRするが、我が社にアグリベースという実演ができるフィールドがあるということを認識していただけるよう、引き続きPRしていく」と語った。
今回の実演の目玉として据えた直播について、「大規模経営の選択肢の1つとして提示した。直播の技術自体は昔からあるものの、GSや自動操舵などが普及し始め、以前よりも栽培のハードルが下がっている。
県内の栽培面積としては3%程度ながら、今後設備投資をするのが、大規模経営体中心となっていく以上、大規模農家の関心事である直播技術の提案は必須。累計70台を超えたアグリロボの販売台数100台を年内で目指すに当たり、直播も1つの切り口になる」と述べた。
また、アグリベースを社内で積極的に活用してもらうべく検討チームを作り、いかに「普段使い」してもらうかも模索している。
「農繁期に入るとお客様の圃場に持ち込んでの実演は、圃場を荒らしてしまうため、できなくなる。しかし、アグリベースはその心配がなく、いつでも、どれだけ荒く使っても問題ない。幸いにも当社は採用ができていて、人材がいるおかげで、営業所のセールスはかなり若返っている。農機販売数はピーク時の4分の1、5分の1となり、その分、試運転の機械も少ない。若手セールスが農機に乗る機会は昔のセールスに比べて少なくなっているのが現状。そんな経験の少ないセールスが心置きなく農機を使える場所があるのは大きな強み。それを活かす環境にしていきたい。他のグループ販社や県内販売店の皆さんに使っていただくのも一案」と吉田社長は話した。






