稲の根系を可視化/農研機構

農研機構は15日、水田で栽培した稲の根系を、形を崩さず計測する技術を開発したと公表した。
これは、水田から稲の株を含む土壌ブロックを採取し、X線CT(X線断層撮影)で撮影して、稲の根のみを立体的に抽出する画像処理法。この手法を用いることで、土壌中の根系を可視化できるようになる。画像処理は自動で行われ、1個体当たりに要する時間は約10分。
これまで、稲の根系を観察するためには、地面に筒を打ち込んで根ごと土壌を収集し、深さ別に分割して各土層に含まれる根を洗い出し、定量化していた。しかし、この方法では根系の微細な違いがわからず、また、1個体を定量化するのに最大1日ほどの労力がかかり、非効率だった。
現在、肥料価格の高騰や持続可能な農業の実現のため、低施肥栽培に適した稲の品種育成が求められている。そのための品種改良の対象形質の1つに、根の肥料吸収効率の改善があげられ、特に土中に遍在する肥料を効率的に獲得できる根系が重要とされる。
しかし、現代品種の中で低施肥栽培に適した根系をもつ品種はほとんど知られておらず、在来品種や野生種などの未利用遺伝資源から、低施肥栽培でも生育が良好な品種・系統を見出して根系との関係性を明らかにし、品種改良に活用することが有効と考えられる。
農研機構は、同手法を用いることで根系による選抜が可能となり、品種育成への応用が進むとしている。また、品種育成に有用なDNAマーカーの開発も進むことが考えられ、簡便に根系の改良を施した品種の育成も推進できると期待を寄せている。






