大型化がさらに加速、スマート農業技術に対応/トラクタ・作業機特集

農林水産省がまとめている「農業機械をめぐる情勢」によると、農業機械の出荷状況(令和6年)は、出荷総額4287億円のうち、約7割をトラクタ、コンバイン、田植機が占めており、稲作を中心とした土地利用型農業に対応した出荷体制となっている。農業機械の輸出額は、出荷額の4割弱を占めている。
このうち、トラクタが48%、コンバインが17%、田植機が7%、作業機が10%、耕うん機が3%となり、トラクタと作業機で市場の約6割を占める。
乗用トラクタの馬力別出荷割合の推移をみると、昭和50年には30PS以下が94%を占め、30~50PSは2%、50PS以上は4%に過ぎなかったが、徐々に大型化が進展し、平成2年には、30PS以下が82%、30~50PSは11%、50PS以上は7%となり、以降、急速に農業就農人口の高齢化、減少が進んだことによる農地集約・大規模化が進展し、令和5年には50PS以下は45%、30~50PSは36%、50PS以上は19%と、30PS以上が主流となり、トラクタの大型化の動きが加速化している。
こうした高齢化・人手不足に伴う規模拡大、農機大型化の動きとともに普及してきたのがスマート農業。ロボット、AI、IoT等の情報通信技術を活用した「スマート農業技術」により、農作業の効率化、農作業における身体の負担の軽減、農業の経営管理の合理化による農業の生産性の向上の効果が期待される。
スマート技術で、現在、最も普及が進んでいるもののひとつが自動操舵システム。同時並行的に、トラクタ作業機もスマート化、高速化、大型化が進展している。
トラクタと作業機をマッチングさせるスマート技術としてISOBUSがある。これは、メーカーを問わずトラクタと作業機を接続し、データ通信の相互運用性を担保するISO11783国際標準規格。近年、作業機に電子制御システムが搭載されて自動で作業が行われるようになってきた。そして現在では、農作業を適切に行うためにトラクタと作業機の間での情報の相互通信が必須となっている。この「トラクタと作業機間の通信」において、世界各国の主要な農業機械メーカーは、すでに通信仕様の標準化に取り組んでいる。
ISOBUS仕様のトラクタや作業機を導入することで、例えば、作業の履歴をデータとして残せる。営農支援管理システムと連携させれば、どこに、いつ、どれだけの農薬や肥料をまいたか、それにどれくらいの時間がかかったかといったデータが記録できる。また、圃場の地力ムラのマップを踏まえて可変施肥機でまく肥料の量を調整できる。これにより肥料の節約や作物の収穫量の低下を防げる。あるいは、GPSやGNSSの位置情報を踏まえた作業機のコントロールで、重複した作業を避けることができる。
トラクタの自動操舵システムは、作業精度が向上するだけではなく、ハンドル操作が不要な分、作業機の動作の確認に集中でき、作業者の疲労負担の軽減にもつながる。









