農機開発で日本機械学会賞を受賞/クボタ

㈱クボタ(花田晋吾社長)は4月24日、東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻(長藤研究室)との共同研究(産学協創事業)で行った「土壌挙動解析技術による世界の土壌に対応した農業機械の開発」が2025年度日本機械学会賞(技術)を受賞したことを発表した。23日、都内港区の明治記念館で行われた一般社団法人日本機械学会主催の表彰式にて表彰された。
表彰式には、研究担当者を代表してクボタグローバル技術研究所研究開発本部次世代技術研究ユニット解析センター第一チーム・松下幸平氏、東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻学術専門職員・産学連携スペシャリストの花本忠幸氏が出席し、壇上にて日本機械学会の岩城智香子会長(当時)から賞状と副賞が授与された。
受賞のコメントとして、松下氏は「社内および東大の方々も協力くださって今回の受賞につながったので、大変ありがたい。今回は土に対応する解析技術を作っていったので、これを活かして、今後は農業機械の自動運転をはじめ、そうした部分の開発につなげていけたらと考えている」と喜びを語った。
また、花本氏は「この度はクボタさんとの共同研究で社会実装につながるような成果が出て大変喜んでいる。良いテーマに恵まれて、また、東大が今までやってきた研究及び成果がうまく活かせることができて非常に良かった」とコメントした。
今回の受賞業績をみると、松下氏および花本氏の研究チームは、世界各地で異なる土壌条件や農作業における土の挙動を数値化することができる先進的な土壌挙動解析技術を開発した。国や地域によって異なる土壌条件を数値解析により再現し、農業機械が土の中でどのように挙動するかを事前にシミュレーションできる技術となっている。
同技術の導入により、設計段階から土壌条件を考慮した解析が可能となり、様々な環境に適した農業機械の性能向上と、開発の効率化を実現した。これにより、安定した農作業を支えるとともに、世界の食料生産を支える技術として期待されている。
詳細をみると、農業機械の開発では、地域や気候、季節などによって大きく異なる土壌条件に対応することが求められるため、実機試験を中心とした開発プロセスが不可欠であり、あらゆる土壌条件で試験を行うことは、開発上の大きな制約となっていた。例えば欧州では日本に比べ粘土質の畑が多く、東南アジアは深い湿田が広がるなど、世界の土壌は多岐にわたる。そこで、同技術の開発では世界の多様な土壌に対応した農業機械の最適化・高性能化を数値解析によって可能とすることを目的に据えた。
まず世界各地の畑や水田の耕うん結果から、土塊や機械性能には粒度分布が重要であることを明らかにし、その後土壌基礎試験(粒径分布や含水比など)と開発した耕うん台上装置から静的かつ動的な土壌特性を解明した。そして土塊を形成しつつ土壌挙動の表現が可能な数値解析技術を開発した。この解析技術の適用により、様々な農業機械の高性能化を行うことができたという。同技術により高性能化した農業機械をみると、ロータリ、トラクタ、コンバイン、プラウなどがあげられる。
これらの画期的な農業機械の開発は農業機械の品質や性能の向上、農業の生産性向上に寄与し、経済及び社会的貢献の大きいものであり、また本技術は食料問題・気候変動・カーボンニュートラル等の社会課題の解決に貢献するとされている。









