ナフサ供給不安の影響/農林省が流通実態調査

中東情勢の悪化を受け、石油高騰とナフサ(粗製ガソリン)の供給不安が各業界に影響を及ぼし始めている。
政府は4月より中東情勢に関する関係閣僚会議を開催しており、24日に行われた第5回会議では経済産業省が農水畜産業の燃料供給において大規模な農村地域における農業機械用のガソリン・軽油の供給確保(直販)したなどと報告した。同会議では鈴木憲和農林水産大臣も農林水産省の取り組みなどを報告した。
それによると、農林水産省は、石油由来の農林水産業・食品産業関連資材(農業用マルチ、農業ハウス用フィルム等の生産資材、米袋、食品包装用フィルム等の流通資材等)について57項目を対象に、流通実態を把握するべく調査を進めている。このうち国民生活への影響が大きい米袋と、農業用マルチの一部に供給懸念があるとの情報を受け、同省においてこれらの製造事業者と原料の調達状況等について情報交換を実施。その結果、米袋は「経済産業省の協力の下、原料メーカーからポリエチレンの安定的な供給が継続される見通し」とし、農業用マルチも「当面概ね前年実績の供給が可能であることを確認した」と報告した。
流通事業者や農業者からは、プラ製農業資材の将来の調達に不安の声があるため、経済産業省と連携、資材ごとの供給状況等に応じて、①今後も引き続きポリエチレン等を安定的に供給するための原料メーカーへの働きかけ②農業資材の製造・流通事業者等に対して、調達支障時の関係者との協議と農林水産省への相談、受発注の平準化などを要請―の取り組みを進めるとした。
鈴木農林水産大臣は4月28日の記者会見で「これまでの調査で把握した影響は、将来の供給に関する不安、価格の上昇、サプライチェーンの一部での原料供給の懸念や個別事業者で資材供給が不足するケースがあった」としつつ「何らかの資材で全体として供給が不足する事態までは、現状見られていない」とした。
一方、民間の動きをみると、JA全農はナフサ高騰などを受けて、生産資材や流通資材の値上げを製品ごとに随時実施する方針。4月出荷分からナフサ由来の原料樹脂価格が20~40%急騰しているためとしている。
また、国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)は会員企業にナフサ供給不安について緊急アンケート調査を実施し、回答102社のうち「既に影響が発生している」44%、「3カ月以内に影響予想」75%等の結果を得た。回答企業の半数は食品・飲料メーカー、18%が卸業となっており、原材料調達難、原材料価格上昇、供給遅延等が顕在化しているほか、食品・日用品等生活必需品への波及懸念が高まるとみられる。これを踏まえ、生団連は政府に対し、生活者が冷静な判断ができるような正確な情報開示とともに、生活必需品への優先供給体制の整備などを求める要望書を4月24日に手交した。









