市場の動向:大規模化、スマート化進む/栃木県特集

栃木県は、首都圏近郊という立地や、水稲、園芸、畜産など幅広い農産物に対応した高い生産力を活かし、先進的な農業振興を進めている。
令和6年の農業産出額は3448億円で全国9位。前年と比べて16・5%増となり、順位を1つ上げた。好調の主な要因としては、構成割合上位の米(998億円、対前年比170・3%)、野菜(793億円、同106・4%)、乳用牛(509億円、同107・8%)の産出額増加があげられる。飼料用米の作付面積全国一ということもあり、昨今の主食用米の価格上昇の恩恵はそこまで及んでいないとの話も聞くが、それでも生産農業所得は1323億円で、前年比21・8%増を記録した。
県内産出額の上位5品目は、米998億円(構成割合28・9%)、生乳471億円(同13・7%)、豚334億円(同9・7%)、イチゴ303億円(同8・8%)、鶏卵271億円(同7・9%)。このうちイチゴは長年にわたり生産量全国1位を堅持し、高付加価値型農業の典型事例として知られている。県独自の品種開発や観光農園との連携、海外展開などを組み合わせることで、「いちご王国」としてのブランド化に成功した。
また、農家の大規模化も着実に進行しており、法人化している経営体は、2020年の557から、2025年には638となった。
米の好景気や農家の大規模化は、RTK基地増設などの基盤強化とも相まって、スマート農業の普及拡大につながっている。「もはや、大型農機への自動操舵や直進アシストの装着は、当たり前になってきた」との声も数多く聞いた。
2025年農林業センサスによると、県内の農業経営体の約4割に当たる1万169経営体が、農業にデータを活用していると回答。気象・市況等のデータの活用や、パソコンでの農作業履歴の記録などに使用するケースが多いようだ。
このような動きを受け、販売店や全農でも、農機単体の販売から、営農全体を視野に入れたサポートへと軸足を移す動きが出始めている。
米の好景気を背景にした農機の更新需要の高まりが、スマート農機のさらなる普及の加速化やデータ駆動型農業へのシフトを力強く後押ししているようだ。









