多機能土壌センサーを発売/デンソー

㈱デンソー(林新之助社長・愛知県刈谷市昭和町1の1)は4月から、1台で土壌の「水ポテンシャル」「体積含水率」「電気伝導度」「土壌温度」を検知することができる多機能土壌センサーの販売を開始した。効率的で安定した食料生産を実現できる環境づくりを目指し、畑などの圃場の管理システムを提供するメーカーに向けたもの。
同社はこれまでも自動車分野で培ったセンシング技術や生産技術などを活かし、施設園芸における環境制御システムや農業ハウスなどの開発を通じて、フードバリューチェーン全体へ新しい価値を提供し、食の安心・安定供給に貢献してきた。
こうした背景のもと、作物の安定生産を実現するためには、生育に直結する土壌環境を把握し、データに基づいて管理することが重要であると考え、今回多機能土壌センサーを開発した。
多機能土壌センサーは、1台で土壌の「水ポテンシャル」「体積含水率」「電気伝導度」「土壌温度」を検知することができる。
「水ポテンシャル」とは、水が土壌にどれくらい強く保持されるかという「力」のこと。水ポテンシャルが小さいほど、作物は水を吸いやすい。作物にとっては水の量(含水率)よりも、水の吸いやすさの影響が大きいため、水ポテンシャルを測定することで、水不足によるストレスの有無や最適な灌水タイミングを正確に判断できる。
同機はこの、水ポテンシャル測定機能を一体化している点が大きな特徴。従来の水ポテンシャル測定機器とは異なり、補水などのメンテナンスが不要で設置後の運用も容易なうえ、耐久性にも優れており、高品質で安定したデータ取得が可能。取得した水ポテンシャルのデータから、作物の種類や生育段階、土壌成分に応じた最適な水分量を把握して灌水制御ができるため、収穫量の安定化や、大きさ、色ツヤ、甘みなどの作物の品質向上が期待できる。また、無駄のない灌水による節水効果に加え、データに基づいた生育管理によって収穫時期の調整が可能となるため、作業効率の改善にもつながる。
同センサーは、今後、順次海外にも展開する予定。また、将来的には農業用以外にも、地盤中の水分状態を把握することにより土砂災害リスクの検知などへの応用も視野に入れている。









