販売店ルポ 三山工業:カッコいい林業へ/林業機械特集

1957年に創業、今年で69年を数える三山工業(株)(山根章好社長・群馬県前橋市元総社町)は、自社の素材生産事業で培ったノウハウを活かし、小型手持ち機械から大型高性能の機械まで幅広い林業用製品を供給、山を見る確かな目とユーザーに不便をかけない整備・修理体制をもって商いを進めている。2021年、3代目の同社トップに就いた山根社長は、足腰が強く安全な日本林業の構築、また、若い世代の林業への参入を促す手立てとして、スマート林業の推進に積極的な視線を向けている。同社は、素材生産や造成地伐採事業、林業機械をはじめ造園緑化に関わる機械の販売・リース・修理、また、モノレールの設計施工と、緑に関わる多様な事業を営んでいる。全国的にみて、小型手持ち機械の商売を進めてきた販売店で、高性能の大型機械まで取り扱うところはさほど多くない。同社の場合は、チェンソー、刈払機、集材機など、自社で使う機械、あるいは、メーンの取引先メーカーであるイワフジ工業(株)(岩手県奥州市)が開発し市場投入してきた機械の変遷とともに対応範囲を広げてきた。このため、機種担当者に明確な区分けはないが、主に小型機械の修理に当たる者、大型機を扱う者に分かれ、そうした対応の仕方は現在も続いている。加えて自社の素材生産部門は、機械の目利きの役割を果たし、林業現場に推奨できる製品の裏付け役ともなる。同社長は、トップ就任に際し、海外先進国における林業従事者の社会的ステータスが高いことにならい、「昔からのイメージを払拭し、誇れる職場、若い人がカッコよく働き、他所がうらやむような相応の収入が得られる安全な職場にしていきたい。それを実現するために機械化を図る」を基本に置いた。自社の生産部門では、20代のメンバーが4人ほどいる。彼らが意欲を持って長く働ける環境整備に腐心するのはもちろん、機械販売先の事業体にもそうした思いは共通する。機械販売の関係では、現場ニーズに対応するため、取り扱いブランドは機械の大小を問わず多岐にわたるが、大型機ではこれまでの経緯からしてイワフジ工業のウエートが大きい。「グラップル、グラップルソーを基に、このところはプロセッサ、フォワーダも扱い台数が増えてきた」と話し、イワフジの林業に対する理解度の高さ、蓄積してきたノウハウの深さを指摘。また、「お客さんはイワフジなら間違いないと思っているんでしょう」とも語る。一方、市場環境としては、この数年の素材・資材価格、人件費の上昇などで機械全般に値上げが進み、片や収益性が向上しない林業の現場事情から、厳しさがつのる状況にある。そのため、「中古機のベースマシーンに作業機を組み合わせる、リースやレンタルを提案する、公的な助成対策を探索するなど、お客様の負担をできる限り軽減する提案を進めている」とのこと。安全で儲かる林業を叶えるために、スマート林業を支える機械技術には期待が大きく、いま開発途上にある機器にも今後の役割発揮を委ねる。そうした中、注目しているのが、曲がり材にも自動で的確に対応し造材するプロセッサ。海外視察で目にし、造材部分の効率化は生産性全体を改善すると、我が国への導入を希求する。日本林業の活性化を目指して―同社の事業活動は、これからもその実現に向けエネルギーが費やされる。









