MENU
令和8年3月23日発行 第3592号 掲載

北海道農政事務所の動き:みどり認定を推進/2026年春北海道特集

 農林水産省北海道農政事務所は「みどりの食料システム戦略の実現にむけて」(令和8年度1月)を発表した。「みどりの食料システム戦略」は、政策のグリーン化の取り組みとして、2030年までに施策の支援対象を持続可能な食料・農林水産業を行う者へ集中していくことを目指すとともに、補助金拡充、環境負荷低減メニューの充実、これらとセットで農林水産省の全補助事業に対する環境配慮のチェック・要件化(みどりチェック)を図るとしており、令和6年度より試行実施されている。
 みどりの食料システム法が令和4年7月1日に施行され、国の基本方針が同年9月15日に公表された。令和5年より都道府県による環境負荷低減事業活動に取り組む農林業者の計画認定が本格的にスタートし、全都道府県で計3万以上の経営体が認定された。令和7年11月末までに47都道府県で3万1259が認定され、北海道では340が認定されている。
 農林水産省北海道農政事務所では、農家に向けてみどり認定を勧めるとともに、農協の生産部会など同じ品目や取り組みを行う生産者がまとまって1つの計画を作成・申請し、グループ(団体)として認定を受けることができるグループ申請を促している。
 また、みどり法に基づく特定区域も設定されている。これは地域ぐるみで環境負荷低減に取り組む計画が基本計画に位置付けられたモデル地域。(1)有機農業による生産活動(例:有機農業の団地化)(2)廃熱その他地域資源の活用により温室効果ガスの排出量の削減に資する生産活動(例:工場の廃熱・廃CO2を活用した園芸団地の形成)(3)環境負荷の低減に資する先端的な技術を活用して行う生産活動(例:ペレット堆肥の活用による資源循環の取り組み)などがそれに該当する。
 特定区域の設定に当たっては、特定区域の範囲やその中で行われる取り組みの内容について、それぞれ要件を満たすよう計画を作成する必要がある。区域内では、有機農業の栽培管理協定や国庫補助事業の優遇等のメリットがある。
 北海道ブロックの特定区域の設定状況は、(1)の有機農業が安平町、新十津川町、赤井河村、旭川市の4区域、(2)のGHG(温室効果ガス)削減が湧別町の1区域、(3)の先端技術活用が岩見沢市の1区域―の計6区域(令和7年12月25日時点)。
 例えば、湧別町福島地区では、バイオガスプラントに園芸施設を併設し、プラントから発生する余剰熱を活用して園芸作物を栽培することで、温室効果ガスの排出削減と高収益作物(トマト、イチゴ等)生産を両立したモデルの構築を目指している。また、安平町全域では、有機農業の技術指導を通じて慣行農業からの転換、新規就農者の増加を促し、有機農産物の活用の場の拡大を図り、産地形成を目指す。
 岩見沢市全域では、産学官連携のもとICT・AI等の先端技術を活用した次世代型農業の実現に向けたスマート農業の取り組みを推進し、「未来につなぐ『強いいわみざわ農業の実現』」を目指す。取り組み内容は、トラクタの自動操舵や自動運転に必要な高精度位置測位情報を全国に先駆けて構築したRTK基地局を市内4カ所に整備。「業務用無線方式(免許局)」と「Ntrip方式」の2種類の配信方法による運用を行うことで、運転技術が未熟な農業者でも効率的で正確な作業を実現。これらの技術を活用したマップベースの可変施肥等による燃料及び化学肥料使用量の削減や省力化を図る取り組みを推進する。
 農林水産省は、令和7年11月時点で環境負荷低減に資する研究開発や機械・資材の販売等を行う98事業者の取り組みを認定。化学肥料・科学農薬の低減に資する農業機械89機種がみどり税制の対象となっており、うち10件が道内の製品。IHIアグリテックの可変施肥ブロードキャスタやエム・エス・ケー農業機械のオフセットシュレッダー、日本ニューホランドのファテライザースプレッダなどが対象となっている。認定がきっかけとなって、特に化学肥料・化学農薬の低減に役立つ機械・資材等の普及に向けた取り組みが拡大しつつある。

カテゴリー別最新ニュース