近津氏らに大臣賞/日本草地畜産種子協会・令和7年度自給飼料生産コンクール

一般社団法人日本草地畜産種子協会(田中誠也会長)は11日、都内千代田区のKKRホテル東京において第12回全国自給飼料生産コンクール表彰式を開催し、受賞者を表彰した。
同コンクールは、飼料基盤に立脚した畜産を推進するため、自給飼料の効率的な生産及び利用技術並びに放牧等の環境に調和した持続的な生産・経営方式等優秀な事例を表彰し、これを広く紹介することにより、畜産経営における飼料基盤の重要性を啓発し、畜産農家の経営の安定に資するものとしている。今年度のコンクールは次の6点を選賞した。
【農林水産大臣賞】▽近津義尊氏・佐和子氏(放牧部門、畜産経営体・酪農、北海道別海町)
【農林水産省畜産局長賞】▽天王ナチュラルファーム(飼料生産部門、飼料生産組織、大阪府能勢町)▽合同会社ラックファーム(飼料生産部門、畜産経営体・酪農、徳島県徳島市)
【日本草地畜産種子協会会長賞】▽稲WCS生産組織田藁屋(飼料生産部門、飼料生産組織、北海道岩見沢市)▽海上自給飼料生産組合(飼料生産部門、飼料生産組織、千葉県旭市)▽(株)ウエストカントリー(飼料生産部門、飼料生産組織、岡山県新見市)
受賞事例の一部概要をみると、農林水産大臣賞を受賞した北海道別海町の近津義尊、佐和子の両氏は、59頭のホルスタインを飼養し、飼料作物作付面積50・6ヘクタールで粗飼料自給率(TDN自給率)ならびに土地利用率100%を実現している。
近津氏は神戸市出身で、2007年に新規就農して以来、北海道農業公社の補助事業を活用し、5年間のリース期間を経て農場を取得した。就農当初から放牧飼養に力を入れ、技術の研鑽を重ねながら経営を発展させてきた。
草地面積は就農時から一貫して50・6ヘクタールを維持しており、その内訳は放牧専用地24・8ヘクタール、兼用地23・2ヘクタール、野草地2・6ヘクタールで、採草専用地は設けていない。乳牛は成牛43頭、育成子牛16頭の計59頭前後で推移しており、つなぎ飼養の牛舎に加えて、自らビニールハウス式の哺育舎も建設している。
TDN換算で粗飼料自給率100%、全体の飼料自給率75%を達成している。令和6年の乳飼比は21・6%と低く、過去10年間の所得率も40%前後で安定しており、持続性の高い経営を確立している。放牧は5月初旬から11月末までの約200日間にわたり、3~6ヘクタールの中牧区利用による昼夜放牧を実施している。2018年からは育成牛の早期放牧や穀物ゼロの飼養の使用方式を模索し、2019年には半季節分娩(春7~8割、秋2~3割)を導入した。
放牧草を中心とした牧草の最大活用に努め、放牧畜産実践牧場の認証を取得。小規模ながらも牧場内資源を有効に活かし、草地生態系の維持に配慮した自立的で安定した経営を実現している。さらに、無化学肥料による草地管理を行い、全草地で有機飼料生産認証も取得している。
加えて、実習生の積極的な受け入れや、道東の放牧酪農を中心とした交流会組織への所属、農協の酪農協議会の役員として地域農業の発展と推進にも貢献しており、地域とともに歩む酪農経営を展開しているなど高く評価された。









