三矢氏らに大臣賞/全国米麦改良協会・令和7年度全国麦作共励会表彰

一般社団法人全国米麦改良協会(渡辺好明会長)は2日、都内で令和7年度全国麦作共励会中央表彰式を実施した。
全国麦作共励会は生産技術の向上や経営改善の面から創意工夫がみられ、先進的で他の模範となる麦作農家及び麦作集団を表彰するもの。今回は17道県から農家の部43点、集団の部36点、合計79点の応募があり、その中から農林水産大臣賞2点を含む10点の受賞者が選ばれた。受賞者名などは次の通り(敬称略)。
【農林水産大臣賞】三矢浩隆(愛知、農家の部)、江別市畑作生産部会(北海道、集団の部)
【全国米麦改良協会会長賞】越智貴則(愛媛、農家の部)、森英幸・森康裕(福岡、同)
【全国農業協同組合中央会会長賞】泉田和昭(北海道、農家の部)、農事組合法人西生来営農組合(滋賀、集団の部)
【全国農業協同組合連合会経営管理委員会会長賞】杉山善昭((有)山善農園、茨城、農家の部)、農事組合法人つねもち(福岡、集団の部)
【日本農業新聞会長賞】佐藤瑛彦((株)エス・ティエフ、宮城、農家の部)、(有)クリエートファーム松任(石川、集団の部)
受賞の取り組み事例の一部をみると、農家の部で農林水産大臣賞を受賞した愛知県西尾市の三矢浩隆氏は西尾市一色町において水田地帯の中で水稲、小麦・大豆の2年3作体系を上手に取り入れた専業農家であり、地域農業の中核農家及びリーダーとして活躍。営農経験は22年になる。経営内容としては、令和7年において水稲30ヘクタール、小麦18ヘクタール、大豆22ヘクタールであり、家族5人で農作業を行い、各作物とも地域でトップクラスの単収をあげる。
麦作については、令和7年産小麦では、14・6ヘクタールを作付ける日本めん用軟質小麦「きぬあかり」の単収が732・3キロ(県平均566キロ)、3・5ヘクタールを作付けるパン・中華めん用硬質小麦「ゆめあかり」が676・9キロ(同514キロ)と県平均を大きく上回った。子実タンパク質含量が「きぬあかり」8・8%ならびに「ゆめあかり」12・4%、1等比率が両品種とも93・0%となった。 集積された農地の畦畔を除去し、できる限り大区画化を図り、「きぬあかり」「ゆめあかり」それぞれの品種特性に合わせた栽培管理を常に模索し、収量・品質の向上に尽力。多収・高品質、低コスト化で高収益へつながる麦作経営を展開している。
技術上の工夫としては、水稲、小麦・大豆2年3作のブロックローテーション確立や湿害対策などがあげられる。前者は連作障害回避や雑草抑制等の効果が出ているほか、水稲の作業分散を考慮して乾田直播栽培技術を導入。水稲播種前に作業機により鎮圧を行うため、田面が硬く、乾きやすくなり、水稲作後の小麦作業に速やかに取り組むことが可能だという。
また、湿害対策としては額縁明渠及び中明渠の施工を徹底。また、効率化を図るためにRTKを積極的に活用した中明渠の溝掘りを精密に施工している。耕作地域は土壌皮膜の「クラスト」による出芽不良が度々発生していることから、この対策として、苗立数確保のためにスリップローラーシーダーを用いて、播種深度や鎮圧程度、播種行程回数等を考慮しながら播種を実施。昨年の「ゆめあかり」播種期の長雨によって地域では出芽不良が発生したが、三矢氏は影響を受けず、地域平均10アール当たり475キロの1・5倍近くの収量をあげた。
その他、毎年100%の種子更新、センシングの活用、ドローン防除、土壌改良材施用による土壌pH管理等に加えて徹底した排水対策や新技術を組み合わせた栽培管理を実践。新技術については、農研機構が開発したカットドレーンの先行導入や、令和8年産におけるカットブレーカーの実地試験、大豆作においては高速畝立て播種機を用いて湿害対策を実施するなど、常に新技術の導入を検討してより高い収量を目指している。









