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令和8年3月9日発行 第3590号 掲載

各社の対応:将来見据え提案営業/岐阜県特集

 (株)東海近畿クボタ(森藤雅隆社長)の昨年の実績は前年比増、計画も達成した。「トラクタとコンバインの販売が前年から伸びており、実績を牽引した」と、東海事業部長の神野栄治取締役は語った。
 一方、田植機の動きは鈍かった。「一昨年売れたこと、そして米価の高騰で高額の機械から先に買おうという動きがあった」ためだ。
 農家の購買意欲は高い。しかし現在は受注生産となっているため、受注から納品までに時間がかかる。特に全国で発注が増えているため、通常よりも長く、正確な納期も直前にならないとわからない。そのため同社では、売上げ動向は当然大事だが、どれだけ発注を得られるかが重要になっている。「現在弊社では、これまでの売上げ評価から、受注評価に切り替えている。月単位で受注の達成を目指す」と、受注活動に力を入れている。 「製品によっては、今シーズンに間に合わないものもある。しかし、今注文しなければ、来シーズンにも間に合わないかもしれない」ため、顧客に理解してもらえるよう働きかけていく。
 神野部長は今後の重点項目として、チーム営業をあげた。顧客の担い手の比率は年々増えている。担い手農家は年中作業をしており、必要な機械・資材も多い。また、面積も広いため、当然いろいろな課題も多い。「これまでは地域の担当が1人で対応し、個人の負担がかなりかかっているため、対応し切れないこともある」ため、同社では担い手顧客を1人ではなくチーム(営業所)で対応していこうと、今年から動き出した。「担い手への対応は、様々なアドバイスや、修理対応などができることが当然重要になってくる。多くの人が対応することにより、皆がノウハウを身に付けることができ、最終的には誰でも対応できるようにする」ことが目標だ。当然、残業、休日出勤を減らす目的もある。 「1人が休んだ時に、誰もわからないという状況を避けなくてはならない。まずはモデル営業所からスタートする。実施していくうちに課題も出てくるだろう。その課題を解決しながら、最終的にはエリアで担当していけるようにする。販売が順調な今だからこそ、体制を強化するチャンスだ」と、神野部長は新たな体制作りに着手する。
 (株)ISEKI Japan関西中部カンパニー(南孝明社長)岐阜営業部(松尾尚部長)の昨年1~12月の実績は、前年比・計画比とも増加した。「一昨年にはまだ米価高騰の影響がみられなかったが、昨年は農家の購買意欲が高まり、農機・資材の販売は好調だった」と松尾部長は語った。
 主要3機種の動きをみると、田植機・トラクタの販売が伸びた。「BFトラクタがかなり伸びた。積極的に実演を行ってきたことが、実績につながった。ミッションが変わって乗りやすく、使いやすくなり、作業機を引っ張るのにも優れているなど、性能を理解してもらえた」と、手応えを感じている。
 一方、コンバインの動きは鈍かった。「低コストコンバインが一昨年の発売時にかなりの台数を売ったため、昨年は台数が減った形になった。また、小型クラスも販売台数は減っている。逆に6条刈以上の数が伸びた」と、小規模農家は米価高騰の影響は小さいようだ。
 また、草刈り関連の機械の販売が伸びている。「離農したが、土地をきれいに保つために草刈りを行う人が購入している。刈払機から自走式やラジコン草刈機にシフトする人が増えている」と、身体への負担が少ない作業をするために導入が進んでいる。
 2月には担い手・大規模農家を中心に、トラクタ+作業機の実演会を実施した。多くの農家が集まり、話題の乾田直播のための不耕起V溝直播機やグランドロータリー、畦塗機など、機能や性能をアピールした。「計画を上回る来場者数で、皆さんの注目度の高さ、熱心さを感じた。やはり、機械に触って、動かして、感じてもらうことが重要」と、今後も実演会を積極的に開催する。
 今後の重点項目としては、農機及び資材の早期受注契約を獲得していくことをあげた。イベントをうまく活用しながら、農家へのアピールと、普段のアフターサービスによる顧客満足を向上しながら提案することで、受注契約を目指す。
 松尾部長は受注から納品まで時間がかかる現状について「事務員、営業、サービススタッフなど現場の負担が大きく、苦労をかけている。イベントやキャンペーンなどでサポートし、皆が動きやすい環境を作っていく」とし、顧客・社員の満足度向上を目指す。
 ヤンマーアグリジャパン(株)中部近畿支社(菱谷竜一支社長)中部営業部岐阜ブロックの昨年4月~本年2月の実績は、前年増、計画も達成した。「米価の高騰により、農家の購買意欲が高く、概ね想定通りの進捗となっている」と、中川秀樹エリアマネージャーは語った。トラクタ・コンバイン・田植機の販売実績はどれも良いという。
 現在は受注が先行しているが「会社として計画的な生産をしていたおかげで、販売できる製品が多かった。顧客からの注文にも対応でき、作業をサポートできた」ことが実績につながった。
 農機の販売は大型クラスが中心で、直進アシストの割合が増えている。担い手、大型農家を中心に購買意欲は高く、実績を牽引した。特に米関連の製品を求める人が多く、米を貯蔵する保冷庫の需要が高まっている。
 一方、乾燥調製機、色彩選別機などは在庫がなく、思うように販売できていない。岐阜は11月下旬まで刈り取り作業があるため、その後に注文しても全国的に在庫がなかった。「作業が終了しないと商談が進まない。現状を説明し、早めに提案していくことが今後のカギとなる」と、計画的に提案、受注を進めていくとした。
 ディスクロータリー『YDPシリーズ』をはじめとした作業機は、実演依頼が増えている。
 特にYDPは圃場の条件を選ばないため、田んぼに水分が残っていてもきれいに反転作業をすることができると好評だ。「SNSや口コミなどで存在を知り、新規客からの問い合わせも多い。ヤンマーのトラクタに作業機を取り付け、できるだけ弊社のトラクタに乗ってもらい、アピールしていく」と、実演も積極的に行っていく。
 中川マネージャーは、滋賀から転勤してきて1年となる。「顧客、土地、使われている機械、社員など様々な状況を把握する1年だった」と振り返る。
 米価の高騰もあり、現在は販売状況が良い。しかし、これから先はどうなるのかと不安もある。「モノが売れている今だからこそ、今後のことを考え、準備していかなくてはならない」と気を引き締める。
 「日々、刻々と変わっている状況を把握し、臨機応変に対応していくことが必要だ。しっかりとした状況判断でかじ取りをしながら、皆が気持ちよく仕事に専念できる環境を作っていきたい」と中川マネージャーは力を込めた。
 三菱農機販売(株)中部支社(庄司聖志支社長)東海支店では、本年1月に樋口英俊氏が支店長に就任した。愛知・岐阜・三重・静岡の東海4県を担当する。岐阜県は、岐阜及び西濃営業所の2拠点で県内及びその他三重、滋賀、愛知等の他県にまたがるエリアを担当。その他、販売店への卸事業を行っている。
 岐阜県営業所の4~2月までの実績は、前年比、計画比とも増加している。「直販、系統、卸、どのチャネルも調子が良い」と、樋口支店長は語った。
 トラクタ・田植機・コンバインの動きは概ね前年並みだった。「岐阜県は25馬力以下のトラクタが主流となるエリアで、そのクラスを中心に動きが活発だった」という。 米価の高騰により、農家の購買意欲は高い。しかし、製品の在庫がなく、思うように提案・販売できていない状況だ。
 また、トラクタ、コンバインのような大型農機を購入するのではなく、調製機や作業機のような比較的低価格な製品を購入する人が多い。米価に一喜一憂することなく、製品を吟味して慎重に購入するようになっているという。
 「米が余っているという報道もあり、農家は米価に敏感になっている。このまま高い価格を維持するとは思えない」と、樋口支店長も慎重な構えをみせた。
 ヒサルラー、KUSANAGIなどの作業機には関心が寄せられている。昨年、KUSANAGI+(プラス)が発売されたことで、60馬力までをKUSANAGI、70~100馬力をKUSANAGI+、100馬力以上はヒサルラーと、各馬力帯に合わせた製品提案ができるようになった。
 「KUSANAGI+は、まだ販売には至っていないが、畑の残渣をすき込むのに性能を発揮し、スピードも12キロ程度で作業ができる。Webで実演を募集しているため、注目度も高い」と、新規客からの実演依頼も増えており、今後に期待が高まる。
 樋口支店長は「モノがない現状はどこも一緒。いかに先のことを考えて提案していくかが重要になる」と、農家に向けた提案を強化していく。

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