食糧法改正、新水田政策で提言/日本農業法人協会

公益社団法人日本農業法人協会(齋藤一志会長)は2月27日、都内霞が関の農林水産省において、齋藤会長から農林水産省・山口靖農産局長に「食糧法改正及び新たな水田政策に関する提言」を手交した。(※編集部注:食糧法=主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)
手交した提言では、高市早苗総理大臣が言及する「食料自給率向上及び国内生産力の最大化」について、日本農業法人協会は大いに賛同するところであり、その一翼を担う覚悟を持っているとし、そのうえで食料増産を成し得るため及び、不合理な規制を排除し農業経営の自由度を確保するため、次の通りの提言を行っている。
(1)食糧法改正に係る意見
基幹的農業従事者の急激な減少及び高齢化により、食料の生産量及び供給量の確保並びに農地の耕作放棄地の拡大について懸念を持つ。現在、食糧法改正案の検討が進められているが、その中で「政府は需要に応じた生産を促進すること」との文言が紹介されている。
ここでいう「需要」は、個々の生産者にとっての需要ではなく、国全体としての主食用米の需要を指しているものと思われる。そのため、販路を独自に確保している生産者は自由に生産できなくなることを懸念しており、農業者は自分の意志で何を生産し、どこにどのように販売するか戦略を持つことで強い経営体になるため、それを規制しない制度としていただきたい。
米価格の乱高下を防ぐためには、2024年夏に政府備蓄を放出しなかったこと等の検証を踏まえて、適切な運用を十分に検討し改善することが先決である。併せて、農畜産物は中間流通を最小化する流通改革により流通コストを下げることで、消費者に安定した価格が提供されやすくなると考える。
また、米をはじめ、国内需要を上回って生産可能な農畜産物については、輸出促進が必要であり、輸出拡大に真剣に取り組む民間経済主体を明確にして政府が重点的に支援することを期待する。需要に応じた生産は当然のこととして、食料安全保障の観点からも農畜産物の増産及び自由な生産を推奨・支援することを要望する。
(2)新たな水田政策に係る意見
水田政策の見直しについては、農地の集積・集約化、農産物の流通改革・輸出拡大などを含めた水田農業の中長期の方向性と具体的な政策を明確にし、それとの関係で水田活用交付金の見直し内容を決めていくことが必要であり、全体として整合性の取れた政策にしていただくことを強く要望する。
食料安全保障においては、完全自給できる米をはじめとして、需要があり国内で不足している小麦・大豆・ソバ等の戦略作物などは、適地適作を前提に農地の地目にかかわらず、品質や収量に応じてインセンティブを与える政策を長期的に実行する必要がある。食料自給率向上には、従来の米生産抑制のための補助政策ではなく、自給率の低い農産物の生産拡大のための支援政策に転換すべきである。









