加工野菜マッチング創出/野菜流通カット協議会が令和7年度事業成果発表会

野菜流通カット協議会(木村幸雄会長)は2月27日、東京都江戸川区のタワーホール船堀で「令和7年度国産野菜供給体制づくり支援事業 加工・業務用野菜生産者・実需者のマッチング機会の創出 事業成果発表会」を開催した。有識者5人がそれぞれの取り組みについてスライドを示しながら紹介。関係者ら約170人が参加し、熱心に耳を傾けた。
最初に、横浜丸中ホールディングス(株)の岡田貴浩社長が「生産者と実需者によるマッチングイベント東京・熊本会場に関する報告」と題して講演。昨年9月に東京都墨田区のすみだリバーサイドホールで、同10月に熊本県八代市の桜十字ホールやつしろでそれぞれ開いた「生産者・実需者マッチングイベント」の開催概要と成果について説明。マッチングイベントでは、「加工・業務用野菜の生産・供給の拡大を進めるためにはどうすればいいか」というテーマで討論した。
イベント終了後の参加者からのアンケート結果を分析したところ、「良かった点」として▽新規取り引きにつながった▽様々な人と交流できた▽実需者から具体的なニーズを聞くことができた▽知見を広げられた―などの声が寄せられた。
一方、▽商談スペースが小さい▽出展企業が少ない▽生産品目に偏りがある―といった課題も浮き彫りになった。
次に農林水産省園芸作物課園芸流通加工対策室の高田文子室長が「加工・業務用野菜のサプライチェーン強靭化に向けて」について発表。欧州留学中の農研機構野菜花き研究部門の高橋徳主任研究員がオンライン参加し、「冷凍ブロッコリー国産シェア獲得に向けた研究事業の取り組み」を報告。冷凍ブロッコリーの国産化を実現するには、冷凍品の製造コスト低減が必要だと述べ、栽培と冷凍加工一気通貫での評価と技術確立の必要性を強調した。また、欧州の農業事情を写真で伝え、来場者の興味を引き付けた。
話題提供として、東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻の深尾隆則教授が「ロボットで切り拓く農業の未来~AI・ロボットによる収穫作業自動化等の新技術」について説明。
農作業をロボット化・自動化することによって▽労働集約的作業の効率化▽労働ピーク低減による作業時間の平準化▽経営規模拡大による経営コスト削減・生産性向上―などが図れる。新規就農者の増加や農業の復興が期待できるのも大きな利点だ。
自動飛行ドローンや野菜・果実の自動収穫機、自動フォークリフト、無人運転トラックなど様々な機械が登場している。AIロボットの社会実装を進める上での課題として(1)過剰品質(2)人材不足(3)法規―の3点をあげた。
(1)では、収穫物の品質とコストのバランスを考えた栽培を検討する必要があり、汎用的で安価なヒューマノイドロボットの登場が期待される。(2)では、研究開発機関に対してもっと予算をつけるべきだと主張。AI利用製品化が可能なメーカーが不足しており、農家やJAなどとの連携も急務だ。(3)では、ロボットの導入スピードに法律や制度が追いついていないという現状を改善する必要性を訴えた。
また、野菜流通カット協議会の木村会長が「隣国中国の加工・業務用野菜に関連したレポート~令和7年度野菜流通カット協議会海外研修」と題して発表。中国の人工光型植物工場、遠隔操作による畑管理、スーパーマーケットの様子などを写真で紹介した。
この他、パネルディスカッションがあり、講演者4人と農研機構野菜花き研究部門の佐藤文生領域長らが参加者からの質問に応えた。









