生育環境を見える化/グリーン

グリーン(株)(戸上崇社長・東京都港区港南2の16の2)と東京エレクトロンデバイス(株)(徳重敦之社長・東京都渋谷区桜丘町1の1、以下TED)は、鹿児島県南種子町において、農業AI/IoTソリューション「e―kakashi」を活用した地域農業活性化を支援している。両社は3日、TED本社において「食の安全保障と地方創生を支えるスマート農業の取り組み」をテーマに、プレスセミナーを開催した。
グリーンが開発・提供する「e―kakashi」は、圃場に設置したセンサーを通じて温度・湿度・日射量などの環境データを収集し、クラウド上で解析することで、栽培管理の最適化を支援するソリューション。TEDは「e―kakashi」で採用されているIoTゲートウェイ(センサーモジュール)をグリーンに提供し、開発段階から共同で検証・技術支援を行ってきた。圃場に設置されたIoTゲートウェイは、畑から取得した環境データを安定的にクラウドへ送信する役割を担い、同機のサービス基盤を支えている。
南種子町では、農業従事者の高齢化や人手不足に加え、経験や勘に依存した栽培管理による収量・品質のばらつきが課題となっている。また、気象条件の変化による影響も大きく、安定的な生産と品質確保が求められていた。こうした中、データに基づく栽培管理を実現する「e―kakashi」を採用し、地域全体でのスマート農業の実装が進められている。
南種子町では2025年7月より、町内24戸の農家(主な作物:パプリカ、オクラ、レザリーフファン、マンゴー)に「e―kakashi」を導入。さらに同年9月にカボチャを栽培する6戸が加わり、合計30台の機器が町内の圃場で稼働している。
セミナーでは、戸上社長が「e―kakashiは、植物の生育環境からストレスを分析して見える化するもの。それをもとにストレスのない環境に改善することで、新人農家でも収量を増やすことができる。同機を通じて収益性向上、熟練技術の継承、次世代の人材育成を実現し、地域課題の解決へ貢献していきたい」と話した。
続いて同機の導入成果を発表した(株)シーズテクノロジーの坂口浩太郎社長は「弊社が運営するシーズファームでは、同機の導入によりパプリカの年間出荷量が栽培初年度(2024年)は約4トン。2年目(2025年度)には、さらにデータに基づいた栽培環境に整えたことにより約8トンに達する見込みだ。収量の安定化と品質向上に加え、環境データをもとにした栽培管理によって、経験値の異なるメンバー間でも判断基準を共有できるようになり、新規就農者の支援という観点でも大きな手応えを感じている。南種子町全体で蓄積されるデータを活かしながら、地域農業の底上げに貢献していきたい」と語った。









