京都各社の対応:顧客との関係重視/滋賀・京都特集

ヤンマーアグリジャパン(株)中部近畿支社(菱谷竜一支社長)は、京都府内の農機市場について、「滋賀ほど急速な集約は進んでいないが、これから本格化する過渡期にある」との見方を示す。府内は地域差が大きい。舞鶴、綾部など、北部では担い手への集積が徐々に進み、機械も大型化の流れが見える。
一方、中南部は依然として兼業農家が多く、30馬力前後のトラクタ、4条植えの田植機、4条刈のコンバインが主流となっている。大規模経営体は滋賀ほど多くはない。その背景には土地事情もある。市街地周辺では地価が高く、将来的な転用を見据えて農地を手放さないケースもある。結果として、一気に集約が進みにくい構造があるようだ。
こうしたなか、近畿営業部は、北部の担い手層に向けて高馬力帯を提案する一方、中・小規模層には直進アシスト機能付きトラクタなど作業負担を軽減する機種を訴求する。国の補正予算でも省力化や先進技術関連の支援策が盛り込まれており、近畿営業部の宮本敏一部長は、「活用できる農家には積極的に提案していく」と意欲を見せる。
また、「京都での商戦は現状維持も簡単ではない」と率直だが、裏を返せば底堅さでもある。急激な伸びはなくとも、担い手との関係をいかに深められるか。過渡期にある京都で販社の真価が問われている。滋賀県同様、代替わりを機にメーカー志向が変わる例も増えている。そのため京都においてもアフターサービスの充実を宮本部長は強調した。
京都府内において規模拡大に踏み切る農家と、現状維持を選ぶ兼業農家の二極化が進むなか、近畿営業部はアフターサービスに力点を置きつつ、ヤンマーの野菜作一貫体系およびヤンマー製品の拡販を図る構えだ。
(株)ISEKI Japan 関西中部カンパニーの京都営業部では粟野博之氏が2026年1月1日付で部長に就任した。同営業部の綾部営業所にて所長を務めていた新部長は整備士出身で、「メカいじりが好きです」と笑ってみせる。その話ぶりから現場主義を徹底している印象を受ける。
粟野部長は京都の農業経営体の構造を「綾部市から北は稲作農家が中心の大規模農家、そして向日市から南、都市近郊は畑作が盛んで、兼業・小規模農家が多い。これらの農家が併存する二面性をもっている」と話す。
大規模層は作業効率と労働力不足対策が最優先課題であり、小規模層は所有農機の延命を心掛け、価格への視線は厳しい。両農家層ともに投資判断は慎重だ。そのため農機の投資意欲に沸く滋賀県に比べて、京都府は農機の更新が活発ではない。
2025年1~12月の販売状況は前年同時期と比べて、トラクタ、コンバインは増、田植機は微減だった(台数ベース)。トラクタは「BFシリーズ」が好調な売れ行きをみせ、なかでも35馬力クラスの荷動きが活発だった。コンバインは4条刈以上が増え、3条刈の「HFC325」に人気が集まった。田植機は「RPQ45(4条植え)」が健闘した。
スマート農機関連では自動抑草ロボット「アイガモロボ2」が引き続き好評を博しており、自動操舵システム「CHCNAV」においては実演会などで必須の商品となっている。
3月18~19の両日には口丹波営業所(南丹市)の近隣圃場で「アグリジャパンフェスタ」を開催し、スマート農機をPRする。粟野部長は、「農機を売るというより納得してもらうことが重要」と、整備士時代に培った機械の知識をフルに活かした営業提案をしていく構えだ。









