林業のデジタル化:林業DXの確立へ/2026更なる前進 牽引役を担う林業機械(4)

林業の中でこれまで点的に取り組まれてきたデジタル技術の活用を地域一体で林業活動にフル活用していこうという取り組みの成果が出始めている。林野庁では、令和5年度から「デジタル林業戦略拠点構築推進事業」をスタートさせており、全国3地域でのシステム導入や実証活動などを支援、「地域が一体となったデジタル林業の自律的展開」を目指した。先月3日に行われた「森ハブシンポジウム~地域ぐるみで実現する林業の未来~」で成果の一端が披露され、今後の方向性、目指す姿などを示した。
令和5年度に始まった「デジタル林業戦略拠点構築推進事業」に事業実施主体としての名乗りをあげたのは、スマート林業EZOモデル構築協議会(北海道)、静岡県東部地域デジタル林業推進コンソーシアム、鳥取県デジタル林業コンソーシアムの3地域。令和7年度までの3カ年で、実績、蓄積を重ねた。2月3日開催の森ハブシンポジウムで事例発表した。
林野庁ではデジタル林業戦略拠点での主な取り組み成果として、(1)丸太の手検知や紙の野帳記入の省略(2)販売先の事前確保による販売価格向上(3)トラック配車作業時の現場巡回の省力化(4)産地証明や取引伝票など紙資料のデジタル化(5)リードタイムの短縮による在庫管理に要する経費の削減や運転資金の早期調達―などを指摘。
こうした先進地での取組事例から見えてきたデジタル化のポイントは、地域の関係者間での合意形成(技術面だけでなく、運用面、人とのコミュニケーションが重要)、コアとなる事業者の存在、導入目的の明確化(技術の導入自体が目的ではなく、地域の課題解決の手段としての導入)だとし、林野庁は、こうしたポイントをまとめたガイドブックの作成を予定しており、現場の積極的な対応を促していく。
では、こうしたデジタル技術をふんだんに活かした取り組みを進めて、従来の商習慣や業務手順を根本的に見直す、いわゆる林業DXはどのような効果をもたらすのだろうか。
現在も大きな課題のひとつである森林境界案の作成では、航空レーザ計測やAIを用いたデジタルツインが使われはじめており、高精度GNSS(みちびき等)による境界確認は普及段階の技術として使われている。
また、森林資源量の把握として、ドローンレーザー・地上レーザーなどによる単木資源情報取得が実用段階となっている。森林所有者への施業提案に計画作成支援ソフトは欠かせなくなっている。この先、AI解析での計画作成の自動化も視野に入っている。
一方、木材生産の効率化では、(1)ICTハーベスタによる効率的な生産・データ活用(2)ICT生産管理システムや検収システムの導入、受発注や伝票の電子化(3)日報・労務機械管理アプリ等を用いた生産現場・工程ごとの生産性の把握・改善などは実用段階の技術として使われ始めている。この他、木材流通の効率化を実現する技術や付加価値向上に向けた取り組みなどの開発、改善も進められている。
スマート林業とともに身近な技術、取り組みとなっている林業DX。川上から、川下まで連携したICTを活用した木材生産・流通の確立は、令和元年の「林業イノベーション現場実装推進プログラム」の時を経て、より具体的になっている。









