NEDO Challenge 技術開発コンテストのワークショップ盛況/NEDO

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2月4日、都内中央区のX―NIHONBASHI TOWERならびにオンラインにて、懸賞金活用型プログラム「NEDO Challenge, Satellite Data ―農林水産業を衛星データでアップデート!―の第4回ワークショップ(ネットワーキング♯2)を開催した。農林水産省所管の「知」の集積と活用の場 産学官連携協議会との連携で行われたもの。ここでは概要をみる。
このプログラムは、衛星データを活用して、農林水産業における社会課題の解決につながる技術やアイデアを発掘し、将来的な共同研究や社会実装につなげていくことを目的とした技術開発コンテストで、経済産業省からの交付金でNEDOが実施している。テーマごとに1位1000万円、2位500万円、3位300万円などの懸賞金が支払われ、多くの革新的・独創的な技術シーズやアイデアを収集・発掘している。今回は衛星データを活用した(1)生産現場の課題解決に資する技術開発(2)資源の管理・監視および物流の高度化に資する技術開発―の2テーマで募集が行われ、昨年10月に1次審査通過者12チームが決定した。今後は、今年7月15日に最終選考会を行い、9月に懸賞金交付を予定している。
今回のワークショップは、外部からも参加可能なネットワーキングイベントとして開催され、農林水産分野における人工衛星利活用の先進事例や技術シーズの社会実装・オープンイノベーションに向けたポイントを学べる講演を実施。さらに、1次審査通過者及び「知」の集積と活用の場の活動内容をポスター展示した懇親会(ポスターセッション)なども行われ、活発な交流・情報交換が繰り広げられた。
ワークショップ冒頭、主催者として挨拶したNEDO 航空・宇宙部宇宙産業チーム・酒井謙二氏はNEDO懸賞金活用型プログラム「NEDO Challenge」を紹介。複雑化する社会課題への対応を図るため、多様なシーズ・解決策をコンテスト形式による懸賞金型の研究開発方式を通じて募るものだとし、懸賞金に加えてメンタリングや開発環境、ネットワーキング、マッチングなどの支援も提供することで多くの応募を促していると述べた。その上で、応募者の成果を社会に広く周知し、応募者とユーザーの連携の機会を創出し、社会実装を進めるものであると特徴を紹介した。
同じく主催者として挨拶した農林水産省 農林水産技術会議事務局 産学連携室・新津泰亮氏は「知」の集積と活用の場の取り組みを紹介。同協議会は農林水産・食品分野におけるオープンイノベーションを通じて、技術シーズの社会実装を推進するための協議会として2016年より活動を開始したと説明。同協議会には昨年11月末時点で多様な分野から5171名の会員が参画し、178の研究開発プラットフォーム、219名のプロデューサーが活動しているなどと述べた。同協議会では様々なセミナーやマッチングイベント、商談会・展示会でのプラットフォームの成果のPRなど技術シーズを社会実装するための様々な支援を行っている。
続いて、3件の特別講演が行われた。
JAXA 第一宇宙技術部門 地球観測研究センター 研究領域主幹・大吉慶氏は「農林水産分野における地球観測衛星データの活用」と題して講演。大吉氏は農林水産業が現在抱えている人手不足・コスト高騰・気候変動などの多くの課題に対して、地球観測衛星を活用して広域・高頻度・客観的に状況を把握し、現状把握・将来予測を行うことで、持続可能な生産・資源管理や需給バランスの確保を進めることができるとして衛星データ活用に期待が高まっていると説明。JAXAの地球観測衛星が取得するデータのうち、農業に関するデータは土壌水分、降水量、地表面温度、植生指数、作付けマップなど、森林に関するデータは森林伐採や森林分布、森林バイオマス、樹高などがあり、分解能・観測頻度・観測能力の向上や数値モデルとの統合利用により、農林水産分野で使えるデータが増大していると述べた。
官民両分野で、農林水産における衛星データの利用実証・社会実装が進み、統合利用例として、JAXAが東京大学と共同開発した陸域の水循環シミュレーションシステム「Today's Earth」などを示した。また、農林水産省による衛星データ活用事例として、主要穀物等の主な生産地帯について衛星観測から得られる土壌水分量、降水量、植生指標等の気象・植生データを国・区域ごとに可視化して提供する「農業気象情報衛星モニタリングシステム(JASMAI)」を紹介。JASMAIはASEANでも活用され、米の収穫見通しを表すレポート作成のエビデンスとして使われているという。
その他の活用事例として、衛星を活用した水稲作付けマップ+面積推定技術の開発や、カンボジアにおける米の統計改善プロジェクト、能登半島地震による水稲への作付け影響把握などを示し、衛星データ・現場データ・数値モデルなどの統合利用により、1次産業の効率化と持続可能な資源管理、食料生産に対して一層貢献することが期待できると説明した。









