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令和8年3月2日発行 第3589号 掲載

進化するスマート緑肥/農研機構中日本農業研究センターが成果報告会

 農研機構中日本農業研究センターとスマート緑肥コンソーシアムは25日、都内中央区のAP東京八重洲およびWebにて、戦略的スマート農業技術の開発・改良「緑肥の肥料効果の面的把握とすき込み方法の改善に基づく減化学肥料栽培技術の開発」(令和5~7年度)の成果発表会「スマート緑肥導入~センシングによる減肥設計と作業革新の最前線~」を開催した。
 最初に、プロジェクトリーダーを務める農研機構中日本農業研究センターの唐澤敏彦氏が研究概要を説明。緑肥は、栽培している植物を収穫せずに田畑にすき込み、次の作物の肥料にするため、堆肥等と比べ輸送コスト、施用労力、エネルギー消費などの面で有利な有機物とされている。近年の肥料価格の高騰や持続的生産体系への取り組みにより、高い関心が寄せられているが、一方で▽肥料効果がわかりにくい▽生育むらがあると肥効にもむらが生じてしまう▽すき込みなどの作業方法による効果や効率の違いが不明―などを課題にあげた。
 成果発表会は、「第1部 緑肥の肥料効果のセンシングに基づく施肥マップの作成技術の開発」と「第2部 緑肥導入にかかる作業体系の検討と肥料効果への影響」の2部制とし、各担当者による研究内容の報告が行われた。第1部ではソフト面を中心に、(1)UAVセンシングによる緑肥作物の生育むらと窒素吸収量の推定(2)センシング結果に基づく可変施肥マップの作成(3)緑肥の施用効果のデータベース(4)センシングによる地力むらの推定―を取り上げた。第2部では、緑肥導入に必要な農業機械などのハード面に焦点を当て、(5)スマート農機(ドローン、ラジヘリ)を用いた緑肥の立毛間播種(6)緑肥の細断・すき込み作業の効率化と肥料効果(7)緑肥の細断・すき込み機械の開発・改良(8)緑肥導入技術に関する経営的評価―について発表。このうち、(6)で登壇した農研機構中日本農業研究センターの森伸介氏は、従来の緑肥の作業体系は、フレールモアで細断し、ロータリーですき込むのが主流だが、細断作業に牽引式のリボーンローラーを、すき込み作業に牽引式のプラウやランドハローを導入することで、作業の高速化は十分可能になるとの研究結果を報告。これにより、作業が圧倒的に楽になるうえ、低燃費も実現できるとした。ただし、リボーンローラーやプラウを牽引するには、100馬力以上の大型トラクタが必要である点を課題にあげた。
 これを受けて(7)では、スガノ農機(株)の波多野篤氏が、細断・すき込み機械の開発・改良の現状を報告。リボーンローラーの重要課題は、切断性能のさらなる向上と、機体の軽量化による対応トラクタの適用範囲拡大であるとし、それを解決する技術改良として、製品重心位置、ナイフ取り付け角度、開先角―それぞれの技術検証を行い、すでに最適化を実証済みであるとした。

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