架線集材の新技術:自動集材の範囲拡大/林業機械特集

イワフジ工業、中井林業は「乱巻き防止型自動集材・造材マルチワークシステムの開発・実証」についてスライドを示しながら発表した。
イワフジ工業は新たな架線集材システムの普及を進めている。これは油圧集材機と架線式グラップルを1つのリモコンで操作することにより、安全で効率的な架線集材を実現する架線集材システムのこと。このシステムを使って安全で効率的な生産を行うため、2023年に集材木を検知し、自動で索引込を行うことが可能な「AIマルチワークシステム」を開発。
2024年には荷掛けから搬送まで自動化の範囲を拡張し、造材終了の待ち時間を縮減することで、より効果的な集材・造材が可能な「自動集材・造材マルチワークシステム」を開発した。
今年度は、AI自動集材の適用範囲を拡大。ワイヤーが安定した状態で集材できるよう乱巻き防止システムを導入することで、安全性・生産性の向上と軽労化を目指している。
昨年度に実証した自動荷掛けシステムを改良して荷つかみ成功確率を向上。AI自動集材の適用範囲を荷下ろしまで拡大した自動集材の開発及びワイヤー異常がない安定した状態で自動集材を行うために乱巻き防止機能を開発し、安全性向上、作業の効率化、生産性向上、軽労化を図る。
具体的には次の4点の開発・実証に取り組む。
(1)自動荷掛け時に集材木との位置ずれ修正及び揺れを推定した位置合わせにより荷つかみ精度を向上させるシステムに改良していく。昨年度は集材木をつかめなかった場合に一度主索まで戻ってからリトライの自動荷掛けをしたが、今年度は主索まで戻らずに近くの新しい荷つかみ対象木を検知してリトライの自動荷掛けができるようになり、サイクルタイムを削減した。
(2)搬送する集材木が折れたり、荷下ろし時にワイヤーの張力で架線式グラップルが跳ねずに自動で荷下ろしが可能なシステムを開発する。
(3)油圧集材機の乱巻きを防止するため、AIによるワイヤーの異常や異音を検知したときにドラム回転を停止させるシステムを開発する。
(4)伐採事業地において改良したシステムを使って集材・造材を実行し、所要時間を観測して生産性・経済性を評価。
また、今後の目標として、(1)目視外からの長距離遠隔操作(2)完全自動化―の2点をあげた。
(1)では、衛星通信と林内無線通信を利用した外部とのデータ通信によって、事務所での現場の進捗状況の把握や、より長距離での遠隔操作の実現を目指す。
(2)では、荷つかみの成功率を上げるために切株回避、最適つかみ位置の認識・荷つかみ対象木の確実なリトライ荷つかみの開発に取り組む。急傾斜など様々な条件で集材が難しいとされる現場でも自動集材ができるように、傾斜が緩やかな現場で必要な要素技術を向上。安全機能も実装した完全自動化へ向けて着実にステップアップしていく。









