自動運転のフォワーダ:複数台の制御進める/林業機械特集

パナソニックアドバンストテクノロジー、諸岡、国際電気通信基礎技術研究所、森林総研、東京農工大学は「自動運転フォワーダの実用化に向けた多対多コントロールシステム等の開発」について紹介した。
日本の作業システムは路網と高性能林業機械を組み合わせており、フォワーダが必要不可欠。ただ、距離が長くなると生産性が低下するのがネックであり、年1件程度の死亡事故が発生しているのが現状だ。解決のためには、集材作業の自動化・遠隔操作化が重要となる。
建設機械で繰り返し行っている単純作業を無人かつ自動で行うには、通信状況とGNSSの受信感度が良いことが前提となる。しかし、森林内は立木が多くて奥深い地形となっており、携帯電波が届かずRTK―GNSS(Ntrip)が利用できないという課題がある。そこで通信手段の確保と自然物の検知を実現するために、森林に適した無線通信SLAMの利用を促進している。
SLAMとはSimultaneous Localization And Mappingの略で、自分がいる位置の推定と周囲の環境の構造把握を同時に行う技術のことだ。
フォワーダの自動走行は、有人の場合は人間が操作し、LiDARによって3Dマップを生成し、自己位置を推定する。自動走行ルートは有人走行で記録した自己位置情報に基づいてポイントとルートを生成。自動走行はリアルタイムで自己位置を推定しながら自動走行ルートを生成したルートに追従する仕組みだ。
2025年度は次の3点の開発・実証に取り組んでいる。
(1)林内通信システムの運用性向上機能の開発。多対多コントロールシステム運用向けに最適化し、通信を安定化。無線装置の連続運用時間の向上(省電力化)。
(2)異常リカバリー機能の開発。異常状態をオペレータに通知。センサー異常、通信異常、自己位置ロスト、障害物、土砂崩れなどを知らせる。倒木・土砂崩れによる運行不可能状態やセンサー異常による車両走行停止時などにリカバリー機能を検討・実装していく。
(3)多対多コントロールシステムの開発。自動走行管理用タブレットと無線操縦用リモコンを統合し、1つの操作端末から複数台のフォワーダを制御できるようにする。車両周辺の映像を見ながらの操縦を実現し、予防安全機能も強化する。
将来的に自動運転フォワーダが実用化されたときのコスト面について、諸岡営業本部の中島泰生副本部長は「自動運転機能が付いていないフォワーダと比較して30%アップ程度での提供を実現できれば」と説明した。









