自動運転型の下刈機:走行能力を確認/林業機械特集

NTTドコモ、キャニコム、千歳林業は「急傾斜地における自動運転型下刈機械の実証および植栽アタッチメントの試作」と題して報告した。
実証では急傾斜地や秋植えの植栽現場での走行性能・操作性評価・自動走行を検証。自動運転下刈り機械用の植栽アタッチメント試作機を開発し、植栽位置への車両誘導の精度を確認した。
NTTドコモがアプリ開発及び実証結果を取りまとめ、キャニコムが車両開発及び走行制御システムを開発。千歳林業が実証現場の整備及び林業事業体から見た試験結果の総評を行う。
実証(1)では、急傾斜地における登坂性能及び横傾斜における走行性能を検証した。車載IMUの解析により、縦傾斜35度、横傾斜35度に達する過酷な地形下でも設定ルート通りの自動走行が可能であることを実証。機械化が困難だとされていた急傾斜地での自動運転導入の実現性を確認できた。
実証(2)では、自動運転による下刈り作業を検証。ハンマーモアの高さは固定値で設定し、草高は50~80センチ。計測ポイントの平均刈高は12・3センチで、刈高20センチ以下面積は88・4%という結果が出た。
実証(3)では、秋植え植栽現場における連続自動走行を検証した。最大縦傾斜32・4度、横傾斜28・1度の急峻な条件下で3時間3分の連続自動走行を完遂できた。トラブルもなく、稼働安全性の高さを証明した。
連続自動運転の検証を行った秋植え植栽現場(面積0・8ヘクタール)でシミュレーションした結果、従来の3人工から0・8人工へと省力化。従来手法と比較して大幅に人工削減することが可能であることを実証した。
自動走行の実証にはキャニコムの多目的造林機械「山もっとモット」を用いて秋植え現場の伐根処理を実施。地拵え段階で機械走行に適した林地造成を行うことにより、今後3年間にわたる下刈り作業の総時間を短縮できると想定している。
実証(4)では、植栽アタッチメント試作機による座標取得を実施。下刈り作業に不可欠な苗木の位置情報の取得及び設定した植栽ラインへの高精度な穿孔(穴あけ)が可能であることを確認した。下刈り自動走行プログラムが植栽にも転用可能だと判断し、今後は自動植栽に必要な植栽機構そのものの本格開発に着手。
実証結果を踏まえた今後の方向性については、▽自動下刈り機に安全機構を搭載し、実作業で実機を投入。2027年度の製品発売を目指す▽自動植栽機(植栽アタッチメント)を開発し、将来自動下刈り機のオプション装置として搭載する▽
自動化に向けて施業地を整備。伐根処理や搬出路跡の整地に取り組む▽植林(秋冬春)と下刈り(夏)の両方を1機種で対応できるようにする。
千歳林業経営企画部の奥村隼右部長は「下刈りは誤差が許されない。植栽・下刈りの自動化を林業のスタンダードにしていきたい。現場の負担を減らすことでより魅力的な産業にしていこう」と意気込んだ。









