植栽機と伐採作業機:進む遠隔操作技術/林業機械特集

松本システムエンジニアリングが進めている「急傾斜地に対応した遠隔操作式植栽機の開発」は、▽植栽に係る膨大な労働負荷とコスト削減▽安全確保と労働力確保▽急傾斜地での運搬や植栽▽獣害リスク回避―といった課題を解決する製品で、商品名は「テリジノロボ」。
傾斜35度まで対応が可能で、無線機による遠隔操作を実現し、大苗も植栽できる活着性の高いアタッチメントが特徴。0・28立方メートルクラスの油圧ショベルにスタビライザーとアシストウインチを装着。無線コントローラーとVRゴーグルを用いた遠隔操作で安全性を向上させた。
1月26日に実施した最終の実証試験では、確実に掘削、植え込み、転圧の作業をこなし、移動時間を除いて1サイクル18秒ほどで植栽、効率が上がった。植栽位置を記録できるように、位置情報の取得についても検討を進めている。
一方、「ラジコン式伐倒作業車の自動走行技術の改良および集材システム等の開発・実証」では、▽林業の安全な作業環境の構築▽高生産・低コスト化▽従事者人口の増加―といった目標を達成するために遠隔式伐倒作業車「シン・ラプトルⅡ」を開発。
具体的には▽自動走行における安全対策機能の開発▽自動走行機能の拡張▽遠隔式伐倒作業車用アタッチメントの開発▽150メートルウインチの開発▽新たな集材システムの開発・実証▽現場実証試験―などに取り組んでいる。
加えて、現場実装に向け、自動走行時、進行方向に人がいた場合に走行停止する安全対策機能を新たに開発。進行方向のカメラで人を検知すると機械が停止する仕組み。現状の設定では、▽検知後約0・5秒で停止▽検知距離は10メートル以内▽主に起立状態の人に対応▽30メートル前後離れていても人を検知し走行停止―といった特徴がある。
先の実証テストでは、新機能である立木への自動走行を行い、林地が凍っていて走行の制御が従来よりも困難ではあったが、走行時の油圧出力等を調整することでうまくアプローチできるようになった。
また、これまでの自動走行機能は、一度手動操作で走行した道を帰還する際に自動走行する技術だったのに対し、今回の自動走行機能は手動操作で記録した経路ではなく、カメラ映像を映したタブレットで選択した立木へ向かって走行していくという機能を追加している。
将来の目標としては、手動操作の手間をより多く減らすことを掲げている。
これまで実施してきた実証テストの成果を踏まえ、松本システムエンジニアリングの松本良三社長は、「機械の販促を進めながら、ユーザーの声を聞き、より良い機械となるように改良を続けていきたい」と改めて強い意欲を示すとともに、「林業機械の開発で生まれた新技術についてはすべて特許申請をしている。特許とは特許権侵害の責任が製造・販売したメーカーはもちろん、販売店やユーザーまで及ぶ。私どもでは、機械がほかの特許に抵触していないか確認し、お客様である販売店やーザーに安心して使用いただけるよう、特許取得を進めている」と話し、技術開発とその確立に注力している。









