森林林業中央研修会から:開発中の林業機械で伐出システム示す/2026更なる前進 牽引役を担う林業機械(3)

全国国有林造林生産業連絡協議会(高篠和憲会長)、全国素材生産業協同組合連合会(日高勝三郎会長)が1月16日に開催した「令和7年度森林林業中央研修会」で、森林総合研究所林業工学研究領域研究専門員の陣川雅樹氏が「機械開発のあり方と新しい林業機械」と題して講演した。民有林の現場を支える全国の素材生産業者を前に、現状を紹介するとともに、これから進むであろう方向性を語った。伐木造材機械の代表的機種であるチェンソーの変遷を取り上げた機械開発の流れや先進機械の動向を解説した。
「機械開発のあり方と新しい林業機械」と題して講演した陣川氏は、高性能林業機械の現状を紹介した後、伐木造材作業に欠かせないチェンソーを取り上げてこれまでの技術的変遷や、小型・軽量化とエンジン高性能化、省力化、低振動・低騒音、排ガスなどの技術要素が相反する関係にあることを示して、良い機械の開発には「バランス」が重要だと指摘し、「機械から道具へ、チェンソーの開発の変遷には林業機械開発のヒントがある」ことを強調した。この後、新しい林業機械として、ドローンを手始めに、開発中の林業機械として、(1)自動運転型下刈機械(2)無人走行フォワーダ(3)自動走行フォワーダ(4)電動クローラ型一輪車(5)森林デジタルツインを取り上げて、紹介した。
【無人航空機・ドローン】 カメラや計測機器を搭載して飛行し、森林計測に使われる。森林作業では、架線のリードロープの運搬や苗木の運搬、防除作業などに使われている。
【自動運転型下刈機械】 ▽伐根処理機械(山もっとモット)植栽計画に基づき、機械が通るエリアの伐根や残材を処理▽植栽用穿孔機(アタッチメント)植栽計画に沿って植え穴をあけながら植栽▽小型遠隔操縦式下刈機(山なみ傾子・アラフォー傾子)植栽した列間・苗間を下刈り。GNSSアンテナやカメラを搭載。自動運転、遠隔監視システム等を装備し、作業する。
【無人走行フォワーダ】 作業道上の往復運転を無人で走行。造材作業員1名、伐木・木寄せ作業員2名、運材作業員0名。土場において無人で荷下ろし作業を可能とする。ゴルフカートやAGVに用いられる誘導線敷設による電磁誘導方式で制御。車体前後にピックアップコイルを装備することで前後進とも自動走行が可能。
【自動走行フォワーダ】 今自分がいる位置の推定と周囲の環境の構造把握を同時に行う技術であるSLAMを採用。フォワーダの自動走行のメカニズムは、有人走行(人間が操作して走行し、LiDARによる3Dマップ生成&自己位置推定・同時にアクセルワーク)し、そこで記録された自己位置情報に基づいてポイントと自動走行ルートを生成し、リアルタイムで自己位置を推定しながら、生成したルートを追従する。
現在、自動走行の安定化をはじめとして、予防安全機能(衝突・転落防止)、林内通信環境の構築、高精度3Dマップの作成などが進められている。
陣川氏は、開発中の林業機械を示しながら、上手に使うため、特に低コスト伐出システム構築には到達性(アクセス)、機動性(小回り)、輸送力(搬出能力)等の集材特性機能を考慮したシステム作りが欠かせないと強調した。









