データ駆動型で拓くGAP/日本生産者GAP協会がシンポジウム

一般社団法人日本生産者GAP協会は16、17の両日、都内文京区の東京大学弥生講堂一条ホールおよびオンラインにて、2025年度GAPシンポジウム「スマート農業×営農指導~データ駆動型で拓くGAP」を開催、オンラインを含めて約200人が聴講した。1日目は同協会の田上隆一理事長による基調講演を始まりに、農林水産省による政策解説や高知県の取り組みなど、2日目は全農やJA、農業法人におけるデータ駆動型営農の効果などの講演が行われた。また、両日とも講演後に、登壇者らによる総合討論を実施し、データを活用した新しい営農指導の方向性などについて議論を交わした。
開会挨拶に立った東京大学農学生命科学研究科の二宮正士名誉教授は、「スマート農業というとロボット農業機械などのハード面が目立つが、実はデータ駆動による農業を実践することが中核である」と述べたうえで、データ駆動型農業に必要なデータには環境データ、栽培管理データ、作物データがあるが、そのうち開発・実用が遅れていた作物データについても、この10年で急速に進化していることなどを紹介した。そして「GAPでもデータ・記録が命」とし、これからの農業経営にデータの活用が不可欠であると強調した。
1日目の最初に行われた基調講演は「アルメリア農業の奇跡―アルメリア農業の成功要因分析と日本農業への示唆」と題し、同協会の田上隆一理事長が登壇。50年間で砂漠地帯から欧州一の野菜産地に成長したスペイン・アルメリア農業の取り組みを、グローバルGAP認証を中心に解説した。「GAPにはビジョンがあり、その取得は、消費者ニーズに応える価値の創造につながる」とし、GAP認証は、地域農業がなりたい姿を目指すためのツールとして有効であることを示した。
続いて、農林水産省大臣官房政策課技術政策室の阿部尚人室長が、スマート農業の推進政策や農業データ連携基盤「WAGRI」のGAP認証取得への活用事例などを紹介。その後、高知大学IoP共創センターの岡林俊宏特任教授が、高知県の営農支援クラウドサービス「SAWACHI」によるデータ駆動型農業の取り組みを説明した。「課題や目標があって、その解決や実現のために必要なのがデータである」とし、改善点や目標を明確にしないままデータを見ているだけでは意味がないと明言。そして、データ活用のコツとして、(1)細かく見過ぎない(2)長いスパンで見過ぎない(3)漠然と見ているだけではダメ(4)間違い探しをするのではなく、データを基に仮説と検証を繰り返す―をあげた。
2日目は実践編として、全農やJAのデータ活用の取り組みや、現場でデータ駆動型営農が回り始めた農業法人の事例など6講演を実施。最後の総合討論では「データ駆動型の生産&営農指導の未来」をテーマに、議論を深めた。









