MENU
令和8年2月23日発行 第3588号 掲載

青果流通をDX化/関東農政局がみどり戦略勉強会

 関東農政局は17日、みどりの食料システム戦略勉強会(第40回)をオンラインで開催した。
 これは、関東農政局が同戦略に関係するテーマについて毎月開催しているもので、今回は「有機農産物等をめぐる流通業界の新たな動き」をテーマに、IT企業である(株)セラクのみどりクラウド事業部執行役員・持田宏平氏が講演した。
 持田氏は、セラクが2015年から提供しているスマート農業サービス「みどりクラウド」の開発・運営を担当し、2023年からは青果流通のDX化に取り組んでいる。
 現在、都内板橋区の板橋市場整備計画に携わり、市場デジタル化に関する実装事業である板橋市場活用型有機農産物物流実証実験プロジェクト協議会にも参画している。
 板橋市場は、北の玄関口として有機農産物の集積市場になることを目指し、令和8年から約8年をかけて整備工事を予定。セラクは、市場デジタル化に向けた取り組みを進めている。
 同社が提供する「みどりクラウド」は、農産物の栽培から出荷・販売までを支援するサービス。環境モニタリングや環境制御を行う「みどりクラウド」を中核に、データ分析による栽培データ活用支援や、集出荷デジタル化サービス「らくらく出荷」、AIを活用した産地出荷量予測サービスなどを提供しており、中でも集出荷デジタル化サービスは、板橋市場における有機農産物流通の課題解決に資するサービスとして期待が寄せられている。
 持田氏は、有機農産物流通における現状の課題として、(1)小口取引・個別配送の限界=産直・分散取引が多くロットがまとまらない。宅配便依存で物流費高騰(2)リレー輸送時の中継拠点の運用負担=パレットレンタルは2拠点間が前提で中継に不向き。載せ替え・荷役・管理の手間が増加(3)事務負担と有機JAS記録の壁=受発注が紙・FAX中心でミスや手間が多い。有機JAS記録(マーク管理・出荷先別集計)も重荷―をあげた。
 続いて、デジタル技術の活用による各課題の解決策として、(1)オンラインで商流を束ね取引ロットを大口化(2)データ連携により、パレット管理や荷役指示など中継拠点の運用負担を軽減(3)受注~出荷~実績の事務・記録を一気通貫でデジタル化―などを提示。「みどりクラウドらくらく出荷」を活用した集出荷DX化により、生産者の集出荷作業時間が24・1%減、集出荷作業工程でのトラブル発生リスクが70%減などの調査結果を示し、「流通のDX化を進めることで、時間的・精神的な余裕が生まれ、品質や産地力の向上に寄与することが期待できる」と自信をのぞかせた。
 産地における有機JAS記録も生産者の負担となっているが、「みどりクラウドらくらく出荷」を活用すれば、出荷データと同時に有機JAS格付け記録の自動生成が可能となる。
 QRコードラベルに有機JASマークを入れて出荷までを自動追跡することで、有機JAS監査対応を省力化。また、発注書の内容をデジタル管理し納品書や請求書を自動生成することで、伝票記入の負担も軽減する。
 これら有機JAS記録の自動化で、従来の目視や手書きによる作業時間を36%削減できるようになったが、将来的にはさらに機能を充実させ、60%の省力化を目指すとした。

カテゴリー別最新ニュース