エンジン開発は進化から深化へ/陸内協・令和7年度講演会開催

一般社団法人日本陸用内燃機関協会(田尾知久会長)は12日、大阪府大阪市のコングレスクエアグラングリーン大阪パークホール2およびWebにて、令和7年度講演会を開催した。昨年の参加者アンケートで、今後のエンジン開発の方向性への関心が高かったことを受け、今年のテーマは「内燃機関の将来動向」とし、(株)クボタエンジン事業部エンジン技術第三部長の後藤英之氏を講師に迎えた。後藤氏は講演の中で、電動化が難しい現場では内燃機関が不可欠であるとの認識のもと、内燃機関を改良し続けると同時に、新しい技術も探求するとの考えに基づき、同社のエンジン開発について紹介した。
同講演会は、業界を取り巻く様々な話題を取り上げ、会員らの見識を広げる機会とするべく、協会事業の一環として毎年開催しているもの。
今回、講師を務めた後藤氏は冒頭「内燃機関の未来はどうなると思うか?」と参加者に問いかけたあと、「私はエンジンは残ると思う」と述べ、「規制も大事、電動も大事、そしてもう1つ大事なのは、オフロードの現場を回していくことだ」とし、様々な動力源の選択肢を持つことが重要であるとの見解を示した。
電気が通っていないエリアでのインフラ作りには、エンジンが必要不可欠。クボタのエンジンは、自社の農業機械に搭載するための立型ディーゼルエンジンとして発展し、建機向けエンジンへと進化してきた。現在は、トラクタなど自社製品向けのエンジンをベースに、全世界に向けて派生モデルを開発。1つのベースエンジンで多様な出力と燃料選択に対応し、世界のインフラを動かすことで、人々の暮らしと文化の発展を支え、より豊かな未来を創り出している―と、力強く語った。
クボタの現在のサービスネットワークは100カ国以上、エンジンは3600モデル以上にのぼる。これらの実績を土台に、今後のクボタエンジンのソリューションとして、(1)既存エンジンのさらなる品質向上(2)電動への対応(3)多様化する燃料への対応―の3点をあげた。そして、世界各国のオフロードに適した組み合わせを提案できるよう、多種多様な燃料で動くエンジンの開発に向け、進化から深化へと技術の深掘りを目指していきたいと述べた。
さらに、これらの取り組みは、決して単独でできるものではないとし、「これからのエンジン開発は、共創のフェーズに入った。未来のエンジンは、皆様と一緒に作っていきたい」とし、同協会と参加者に向けて、一層の協力を求めた。
続いて、モータリングライター・エディターの世良耕太氏をファシリテーターに、後藤氏と同社エンジン事業部の担当者2名が加わってトークセッションを実施。各エンジンの開発経緯や苦労、AIの活用や今後の動きなど、内燃機関を通じて社会を支える取り組みの現在と未来が語られた。









