林野庁が森ハブシンポジウム開催/シーズンへ加速する草刈機・刈払機

林野庁は3日、東京都新宿区のTKP市ケ谷カンファレンスセンターで「令和7年度森ハブシンポジウム 地域ぐるみで実現する林業の未来」を開催した。
会の冒頭で林野庁研究指導課技術開発推進室の塚田直子室長が挨拶に立ち、「林業をより安全で魅力的な産業にするためには、ICTや自動運転技術など様々な技術を取り込んでいくことが必要。森ハブを通じて異業種間交流を促し、シンポジウムでの学びをそれぞれの地域の林業の活性化に役立ててほしい」と呼びかけた。
第1部では、林野庁技術開発推進室の八木沢昌代氏が「森ハブのこれまでの取組と今後の展望」と題して発表。
森ハブは2023年度に設置され、昨年6月16日時点で518件の会員登録がある。これまでキックオフイベントやシンポジウム、ワークショップの開催を通じて異業種間の交流の場を設けてきた。
今後は▽林業現場への新技術の普及のための製品・サービスの利用者と供給者間の連携・協業▽運営支援事業下での成功事例の創出とプラットフォーム運営ノウハウの確立―などを目指し、新たなビジネスチャンスにつながる場として継続的に活動していく方向性を示した。
続いてトークセッションがあり、昨年10月に宮城県仙台市で開催された「次世代経営者ワークショップ」の参加と今後の期待というテーマで関係者4人が討論し、異業種間の交流の重要性を強調した。ファシリテーターの森林総研・中澤昌彦氏は「やっと交流の場が形成されて動き出してきたところだ。Forestry5・0に向けて、スマート林業をより一層普及させていきたい」と話した。
第2部では林野庁研究指導課技術開発推進室の小川明穂氏が「デジタル技術を活用した林業地域拠点の作り方」と題して講演。スマート林業技術を実装した林業の将来像について説明し、森ハブが作成した伴走支援ツールを紹介した。
基調講演では、NPO法人活木活木森ネットワークの遠藤日雄理事長が登壇し、「原木の流通を意識した地域の林業活性化について」というテーマでスライドを示しながら発表した。大分県日田市における地域林業の組織化の成功事例や木材の新流通システムなどを紹介。遠藤理事長は「日本の林業は内需だけでは活性化しない。外需にも目を向けなければいけない」と強調した。
続いてデジタル林業先進地からの報告があり、仁淀川町森林管理推進協議会(高知県)、スマート林業EZOモデル構築協議会(北海道)、静岡県東部地域デジタル林業推進コンソーシアム、鳥取県デジタル林業コンソーシアムの代表者がそれぞれの取り組みについて説明。トークセッションで議論を深めた。
高知県仁淀川町は水質ランキング日本一。民家の目の前を川が流れ、「仁淀ブルー」の美しさをPRしている。町の約9割が山林であり、古くから林業や製材業が盛んに行われてきた。仁淀川町林業振興センター構想を掲げ、地域が一体となった新木材流通システムで林業を再生することを目標にしている。林業適地での再造林率100%、適地以外は広葉樹林化させることを目指しており、再造林の担い手育成にも取り組んでいる。
仁淀川町森林管理推進協議会の奥田誠氏は「一次産業としての林業を活性化させるだけでなく、仁淀ブルーを守るためにも木を若返らせることが大切だ」と話した。
第3部では、地域で活用されるシステム・ソフトの紹介として、(株)ティンバーテック(北海道旭川市)、(株)北海道日立システムズ(札幌市)、山秀情報システム(株)(大分県)、(株)アイキューブ(東京都)、(株)鳥取県情報センター、(株)マプリィ(兵庫県)の担当者がピッチプレゼンやパネル展示で最新の取り組みや自慢のサービスをアピールした。
林業イノベーションハブセンター(森ハブ)は、林業の安全性と生産性の飛躍的な向上を図るための新技術の開発と現場実装に向けて、異分野と林業が融合するプラットフォームの運営、新技術の実装に取り組む地域への伴走支援を実施している。森ハブ・プラットフォームは、森ハブの目指す林業イノベーションのための組織・人・技術が集まる場として2023年9月に林野庁が開設した。
林業・木材産業の現場の課題を解決したい林業関係者と林業分野への参入を考える異業種とが出会い、情報や意見を交わして解決策を見出すための各種イベントや調査、情報発信などをしている。









