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令和8年2月9日発行 第3586号 掲載

農機研・農業機械化フォーラムから:省力、環境対応に効果/シーズンへ加速する草刈機・刈払機

 ロボット・リモコン草刈機に業界の注目が集まっている。一般社団法人日本農業機械化協会(菱沼義久会長)は昨年12月、埼玉県の農研機構農業機械化研究部門にて「2025農業機械化フォーラム」を開催し、「ロボット・リモコン草刈機の開発・普及の展開」をテーマに掲げ、ロボット・リモコン草刈機の可能性に焦点を当てた(既報)。これには農業者をはじめ、都道府県関係者など約130名が参集した。同協会が毎年実施している農業機械化フォーラムにおいて、ロボット・リモコン草刈機をメーンに取り上げたのは初めてであり、それだけ農業者や農機業界からの期待が高まっている証左である。
 フォーラムは2部制となっており、第1部はメーカー7社((株)アテックス、(株)オーレック、キャニコム、(株)クボタ、(株)ササキコーポレーション、本田技研工業(株)、(株)やまびこ)による最新ロボット・リモコン草刈機の展示・実演を実施。第2部はセミナーを開き、国や研究機関、メーカー各社による基調講演、草刈機の話題提供が行われた。ここでは農林水産省と農研機構による基調講演の概要をみる。
 基調講演では、農林水産省技術普及課みどりユニット組織の藤路陽係長による「ロボット・リモコン草刈機の活用によるグリーンな栽培体系の実現」、農研機構農業機械研究部門の長崎裕司所長による「安全で快適な除草作業を実現するロボット・リモコン草刈機の方向性」が行われた。
 藤路係長は、みどりの食料システム戦略で進めているグリーンな栽培体系加速化において、環境にやさしい栽培技術・省力化に資する技術の1つの例としてロボット・リモコン式草刈機の活用を示した。
 みどりの食料システム戦略の目標達成に向けて、7年度はみどりの食料システム戦略推進総合対策やグリーンな栽培体系加速化事業などで取り組みを推進していると説明。国が目指すグリーンな栽培体系とは「環境にやさしい栽培技術と省力化に資する技術を取り入れた栽培体系」を指す。環境にやさしい栽培技術は、例えば化学農薬使用量の低減では点滴利用や抵抗性品種の導入、化学肥料使用量の低減では堆肥や緑肥等による土づくりなどがあげられ、これらの導入を推進するグリーンな栽培体系加速化事業の活用状況をみると、令和4~7年度までにおいて47都道府県のうち46都道府県・505地区にて活用が進んでおり、また、ロボット・リモコン草刈機の検証も前者は112地区、後者は15地区にて進められているとした。
 また、ロボット・リモコン草刈機の活用事例について、福島県の会津農林事務所農業振興普及部などの取り組みを提示。ロボット草刈機を活用した下草の高管理の省力化、天敵資材の活用などを取り入れ、除草作業の負担を軽減しハダニ類が発生しにくい環境を整備。30アール規模では草刈機稼働後6日程度で草刈りが完了し、草刈機導入により乗用草刈機の作業時間及び燃料が削減できたという。
 そのうえで、農林水産省はこうしたグリーンな生産体系への転換を加速するべく、7年度補正予算でもグリーンな生産体系加速化事業を推進していると言及。環境にやさしい栽培技術・省力化に資する技術の1つの例としてリモコン式草刈機をあげており、それらのスマート農機導入などを支援していると述べ、ホームページでも取り組み事例などを公開していると語った。
 一方、長崎所長は農研機構が進めてきた草刈機の開発について紹介した。
 その背景として、日本の農業現場では稲作を中心に機械化が進展してきたが、水田畦畔などの草刈り作業は依然として人力に頼っていると説明。刈払機による人力作業は約50年前から行われており、この50年の間に基本的な機能は変わらないものの小型軽量化やエンジン高出力化などが進み、高齢者・女性も活用するようになった。
 しかし、農業機械事故における刈払機による事故の割合は19%を占め最も多くなっていると指摘。また、畦畔草刈りが抱えている課題として、草刈りが大変であることや、高齢化により刈れない人が増えていること、中山間地では草刈り水管理などで人手がたくさん必要―などを示した。
 長崎所長は、こうした草刈り作業の省力化を図るため、農研機構で10余年にわたりリモコン式草刈機の開発に取り組んできたと説明。2022年度にはリモコン式小型ハンマーナイフ草刈機が市販化、2001年には大型法面用吊り下げ草刈機を開発した。また、畦畔法面における草刈り管理を省力化するべく、在来草種への植生転換と多段テラス造成による省力管理の技術を開発し、マニュアルを作成したという。植生転換によって、西日本中山間地帯の場合、草刈り回数が通常4~6回を年3回に減らすことができた。
 また、乗用型草刈機については、乗車して楽に作業でき比較的安全だが、多様な傾斜度や中山間地の棚田法面に対応するため、1990年代からラジコン草刈機の開発を開始したと説明。2010年からは農林水産省委託事業「小型ロボットによる畦畔辞除草等自動化技術の開発」に着手し、除草ロボットの開発を進めたという。また、ドローン空撮画像による草刈り可能な畦畔判定技術や、高機動畦畔草刈機、リモコン式小型ハンマーナイフ草刈機の開発にも取り組んだ旨などを紹介した。

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