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令和8年2月9日発行 第3586号 掲載

部会見通しに見る展望:引き続き勢い堅持/シーズンへ加速する草刈機・刈払機

 草刈り用機械の中で最も販売台数の多い機種である刈払機企業の集まりである日農工刈払機部会(久保浩会長・(株)やまびこ社長)の部会見通しから、最近の草刈り用関連機器市場の動向がはっきりと見えてくる。
 (1)手持ち機械として、草刈り用機械として馴染み深い刈払機が引き続き堅調な需要を獲得していること(2)競合製品の台頭によって需要の中身はバリエーションに富んできていることを示している。
 先に日農工が部会統計をベースに取りまとめている「日農工統計2025年1~12月分農機生産出荷実績」から刈払機の動向を見ると、昨年の生産台数は国内向、輸出向を合わせて、87万3522台(国内向53万8380台、輸出向33万5142台)となり、対前年比105・9%と伸長した。国内向の生産台数は、対前年比92・8%と減っているが、輸出向が137・0%と大幅な増加となった。
 一方、出荷台数は、75万1720台、対前年比109・7%と伸長。国内向50万3336台、同100・9%、輸出向24万8384台、同133・6%と共に前年実績を上回っている。ちなみに出荷金額は、212億2600万円で同110・8%の二桁増と好調な推移をみせている。
 刈払機部会の見通しでは、昨年の市場を、原材料費や物流コストの上昇による価格改定の影響を受けつつも、プロユーザー向けの高排気量・高性能なエンジン式が堅調な需要を維持し、対前年比103%という結果になったと報告。
 しかし、ライトユーザー層では、取り扱いの容易さからバッテリー式へのシフトが進んだと指摘。低排気量クラスでは、エンジン式の需要が減少しているという。
 部会統計の示す通り、刈払機の国内出荷は100・9%と前年の実績こそ上回ってはいるが、その中で需要構造は、エンジン式とは競合機種となるバッテリー式の浸透によって徐々に変わりつつあるようだ。
 特にバッテリー式は、低振動、低騒音、始動の容易さが受けて、街場に適した商品として注目されてきたが、取り扱い企業の増加と、商品としての知名度のアップとがあいまって市場を形成しており、順調に進行しているようだ。
 中でも作業音が静かであるという特性は、病院や学校などの公共施設周辺や街場での作業に適していることから、業務用ユースとして需要を獲得している。
 また、需要見通しでは「スマート農業の普及に伴い、作業負荷軽減を目的とした自走式・リモコン式草刈機などの需要は堅調に拡大している」と指摘し、今後も市場全体の成長を支える要因になると考えられると展望し、期待を寄せている。
 この需要の中身の多様化が最近の草刈り関連機器市場の最大の特徴といえよう。生産・出荷台数が最も多く、ユーザーにとってもお馴染みの手持ち式機械である刈払機を筆頭に、手押し式、自走式、乗用式から、作業機の中でも一目置かれる機種として成長しているトラクタやバックホウをベースマシンとするインプルメント式、そして近年、スマート農業の実証に伴って全国展開したラジコン式、これから人手不足対策としてさらに脚光を浴びそうなロボット式までラインアップは確実に充実している。今後も変わらないトレンドとなっていこう。
 部会見通しでは、今年の刈払機需要について、更新需要の回復を背景に、全体で前年比102%と予測、引き続き手堅い推移を見込んでいる。
 堅調な刈払機を軸に、先に示したようにバリエーションに富んでいる機種構成、さらに人手不足に伴って高まる省力化、効率化への要請、とりわけ夏場の熱い環境下での負担軽減を考えると、機械化対応は引き続き重点事項に位置付けられよう。刈払機を含めて堅調な推移が見込まれる要因だ。

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