最新の取り組みを紹介/スマート林業機械・木質系新素材シンポジウム

令和7年度スマート林業機械・木質系新素材シンポジウムが4日、東京都千代田区の主婦会館プラザエフで開催された。業界関係者約200人が参加した。主催は一般社団法人林業機械化協会(島田泰助会長)と一般社団法人木材加工技術協会(信田聡会長)。現在、現場へ浸透しつつあるスマート林業機械や木材需要の開拓が期待される木質系新素材の可能性と今後の方向性を探った。シンポジウムでは、令和6年度の林野庁の開発事業成果などが発表された。
開会に先立ち、林業機械化協会の有吉実副会長(イワフジ工業社長)が挨拶し、「林業機械化の進展は重要な柱。半導体不足や物価高騰などの課題に直面する中、メーカーとしても価格以上の付加価値をつけた機械を開発し、林業の発展に貢献していきたい」と話した。
続いて、林野庁の小坂善太郎長官が「人工林を伐って、使って、植えて、育てる循環の確立を目指している。実現のためには新しいイノベーションが必要だ。スマート林業で生産性や安全性を高め、儲かる林業を実現し、魅力的な産業にしていこう」と呼びかけた。
シンポジウムは3部構成で実施され、第1部は「木質系新素材の開発・実証の現状」、第2部は「林業機械の開発・実証の現状」、第3部は「林業機械化と安全確保」というテーマで各担当メーカーの代表者らが最新の取り組み内容や研究成果を発表した。
第2部では、松本システムエンジニアリングが「急傾斜地に対応した遠隔操作式植栽機械の開発」「ラジコン式伐倒作業車の自動走行技術の改良および集材システム等の開発・実証」と題してそれぞれ講演。35度の傾斜に対応する無人植栽機と無人伐倒作業車シン・ラプトルの開発経緯や特徴などを紹介した。
NTTドコモ、キャニコム、千歳林業は「急傾斜地における自動運転型下刈機械の実証および植栽アタッチメントの試作」、パナソニックアドバンストテクノロジー、諸岡、国際電気通信基礎技術研究所、森林総研、東京農工大学は「自動運転フォワーダの実用化に向けた多対多コントロールシステム等の開発」、イワフジ工業、中井林業は「乱巻き防止型自動集材・造材マルチワークシステムの開発・実証」の現状、成果についてスライドを示しながら発表した。
第3部では、愛媛大学名誉教授で森林ヒューマン・ファクター研究所所長の山田容三氏が「スマート林業における森林と機械と人間」と題して講演。林業は「大規模集約型」と「小規模分散型」に二極化していくと指摘し、労働災害を減らすためにスマート林業を普及させ、機械の特徴を理解しながら適材適所で使用していくことが大切だと強調した。
最後に、林野庁森林整備部森林利用課森林集積企画班の一重喬一郎課長補佐がスマート林業技術を実装した林業の将来像などについて説明した。









