伊藤忠商事事務所を訪問/機械で拓くアフリカ農業(11)

AFICATコートジボワール視察の連載11回目は、既に現地で事業展開している日本企業として、視察4日目(2025年7月31日)に総合商社・伊藤忠商事のアビジャン事務所を訪問したもようを報告する。同社は、1960年代からアフリカ全土にて日系自動車製品の輸出販売を手がけており、コートジボワールへはマツダ乗用車及びいすゞのトラックやピックアップトラックの輸出販売を展開。現地での販売は提携している代理店に一任しているという。伊藤忠商事のアビジャン事務所は、経済中心地であるプラトー地区の一角にあり、アビジャン事務所長の岸健一氏が応対してくれた。岸氏に同国市場への進出や普及の取り組みなどを伺い、意見交換を行った(データなどは全て取材当時のもの)。岸氏によると、同国における輸入車販売は主に富裕層を対象にしており、販売台数はマツダ・いすゞとも、年間600台ほどで推移している。アビジャン事務所では、現地代理店における販売の支援を行っており、販売促進や顧客へのサービスなどのサポートを実施。販促の具体策としては、広告やサインボードを出したり、販売代理店にてフラグを立てて顧客を呼び込んだりと、様々展開していると語った。アビジャン事務所には自動車担当の駐在員がおり、同国を含めた西アフリカ及び中央アフリカのフランス語圏を管轄しているという。また、2010~2024年におけるコートジボワール自動車市場統計分析では、岸氏の説明とプレゼン資料によると、若年人口が多く、GDPが順調に伸長しているコートジボワールの新車需要は、2018年の中古車車齢規制導入以後に急増(※注:コートジボワールは2018年より中古車の輸入に関して年式規制を導入。用途別にそれぞれ乗用車5年以内、商用車10年以内などの年式規制が設けられている)。新車需要では特に乗用車のニーズが高く、2024年における販売台数は乗用車が約1万9000台で(2010年は約4000台)、ピックアップトラック約4300台や商用車約3000台に比べてシェアが大きい。メーカー別に販売台数をみると、5年累計シェアでは90以上ある市場参入ブランドのうち上位16ブランドがシェア9割を占め、うちスズキ・トヨタで市場シェアの半分を占める。スズキのシェアの大半はタクシー需要を支えるA・Bセグメント(小型サイズのコンパクトカー)の需要増によるもので、タクシーにスズキの車が活用されており、2018年の中古車規制導入以降に一気に増加。一方で、昨今の動きのポイントとしては「中国ブランドの急増」を示した。中国車は2010年には7ブランドしかなかったものの、近年市場参入が急速に増え、2024年には47ブランドに増加。価格は日本車より3~4割安い。特に需要が多いコンパクトSUVや、価格が高い重量トラックなどでのシェアが高まっているという。さらにセグメント別の新車販売台数については、▽ピックアップトラックは25ブランドのうち10ブランドが市場の9割を占め、特にトヨタ・三菱でほぼ半分を占める▽商用車市場は経済成長に伴い安定成長。車両総重量3~6トンの小型トラックは日本車が優勢、いすゞが2021年以降シェア拡大。対して車両総重量15トン以上の大型トラックは中国ブランドの成長が著しく、中国ブランドが9割以上を占める―など示した。岸氏は改めてコートジボワール国内におけるビジネス環境について、「参入障壁が低く、国の規制もしっかりしているので参入メーカーが多い」と評価。近年は中国ブランドがシェアを拡大しており、空港近くにも中国系電気自動車メーカーBYDがショールームを開設するなど、昨今では電気自動車関連企業も進出。一方で、都市部と農村部での貧富の差が大きく、アビジャンなど都市部では富裕層向け高級車が売れるものの、農村部ではまだ個人で車を購入できず、農協などが運搬トラックを購入して農家に供与する形が多いとし、農業用トラックは農業地域で大きく売れるような状況ではないと評した。









