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令和8年2月2日発行 第3585号 掲載

日植防シンポジウム:防除適期の選定重要/野菜・畑作関連機器特集

 既報の通り、一般社団法人日本植物防疫協会(早川泰弘理事長)は1月22日、都内北区の北とぴあつつじホールおよびWebにて、シンポジウム「温暖化がもたらす新たな病害虫発生リスクを考える」を開催した。ここでは、農研機構本部事業開発部・竹内徹氏の講演内容を紹介する。
 竹内氏は「温暖化がもたらす畑作病害の発生リスクに関するトピックス」と題し、(1)コムギ赤かび病(2)コムギ眼紋病(3)ダイズ葉焼病―の3つを取り上げた。
 (1)コムギ赤かび病は、近年の温暖化の影響を受け、発生増加が懸念されている。研究結果によると、防除の最重要時期は開花始からの1週間。一方で、開花前(出穂期)および開花始から14日後の薬剤散布だと、防除効果は低くなることを示した。そして、薬剤2回散布の場合は、1回目は開花始に、2回目はその1週間後に実施すること、薬剤3回散布の場合は、1回目は開花始に、2回目はその4~5日後に、3回目はさらにその4~5日後に行うことを奨励。また、散布予定日に降雨が予想される場合は前倒しで散布することがポイントであるとし、防除適期の見極めが非常に重要であると強調した。
 温暖化で多くの病害が増加している一方で、発生件数が減少している病害もある。小麦の茎などに眼紋状の病斑をつくる(2)コムギ眼紋病がその1つ。低温性の病害で、国内では秋田県と北海道でのみ確認されていた。5月上旬の最低気温が低いと発病が増えるとされ、1990年前後には、重症茎割合が8割以上にのぼる年もあった。しかし、5月の最低気温がこの30年間で約2度C上昇。それにより、コムギ眼紋病の発生面積は大幅に減少し、温暖化の影響で鎮静化が進んでいると考えられている。
 (3)ダイズ葉焼病は、その名の通り大豆の葉に斑点状の病斑を発生させ、早期の落葉で低収化や小粒化を招く。近年、高温や台風、ゲリラ豪雨の影響で増加傾向にあるが、米国など大豆の主要生産国の品種は、基本的に抵抗性をもっている。農研機構は昨年1月、ダイズ葉焼病の抵抗性遺伝子を世界で初めて特定するなど、抵抗性品種の研究・育成を進めている。研究結果によると、抵抗性品種(すずかれん、すずおとめ2号)のダイズ葉焼病発病率は10%以下。収量も、従来品種と比べて2割高かった。そのため、農研機構が2023年以降に育成した「そらみのり」「そらみずき」などの大豆新品種には、全てダイズ葉焼病抵抗性を付与。竹内氏は、試験圃場で遠目に見ても、抵抗性品種と従来品種の発病状況の違いがわかるほど明確な差異があるとし、今後もさらなる普及を進めていくとした。

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