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令和8年1月26日発行 第3584号 掲載

地元販売店の動き:先行受注を推進/千葉県特集

 文平産業(株)(佐藤直樹社長)のこれまでの実績は、前年比増となっている。「米価の上昇により、稲作農家の購買意欲が高まっている。県内6営業所の中で、水稲地区にある営業所の売上げが実績を牽引してくれた」と佐藤社長。製品があれば売れるため、販売状況は良かったという。一方、野菜は生育状況があまり良くなかった作物もあって価格が安定せず、米農家ほど購買意欲は高まらなかった。
 「一昨年は米価の高騰が始まっていたが、千葉県は米の出荷が早く、米価が上がり切る前に出荷したため、遅く出荷した地域の米価よりも安かった。それでも前年より収入は増えたため、買いやすいインプルメントや小物製品などを買おうという人が多かった」。昨年は2年連続で米価が高騰し、農家は先を見る余裕が出てきて、農機の更新に意欲を見せ始めた。「展示会も雰囲気が良い。農機の価格や在庫状況などを聞かれることが多く、会話が増えた」とし、売上げも良かったという。特にコンバイン、乾燥機、色彩選別機などの秋商品の問い合わせが増えている。しかし、メーカーにも店舗にも在庫がなく、すぐには納品できていない。「現在、受注をいただいても、正確な納品日がわからない状態だ。中には今シーズンに間に合わないものもある。受注ベースでは売上げが前年比を超えている。あとは納品されるのを祈るのみ」と佐藤社長は笑った。
 修理・整備事業の実績も好調だ。「時期中に農機がほしいといわれてもすぐには納品できないため、農家だけでなくメーカーからも修理してくれと依頼される」と、農家も今の作業をどうするかと考えた時に修理を選択せざるを得ない。今後は、機械の故障に対し緊急対応するために、代替機を用意することも検討している。
 同社では最近、インスタグラムを始め、営業所や展示会の様子などを紹介している。SNSについては顧客へアピールする目的もあるが、大きな理由は求人のためだ。「求人を出した場合、まず人はホームページやSNSなどで情報を集める。それらがあるかないか、充実しているかなどで会社が評価される。会社に興味を持ってもらうためにも必要と考えた」と、充実した情報発信を目指す。
 佐藤社長は今後について「ダーウィンの進化論では、強いものが生き残るのではなく、変化に対応したものが生き残るとある。今後、米価がどうなるか、災害や天災など、どんな変化が起こるかわからない。それらが起きた時、どう対応するかを皆で考え、変化に対応していく」と語った。
 (株)石川商会(小関友紀子社長)は毎年10月と11月に展示会を行うのが恒例だ。しかし昨年は10月のみで、11月の展示会は開催しなかった。「10月の展示会で、過去最高の売上げを記録した。そのため11月の展示会は開催せず、納品作業に集中した」と小関社長。米価の高騰により、前向きに新シーズンの準備を進める農家が増えている。「展示会には多くの方に来場いただき、接客ができないお客様も出るほどの盛況ぶりだった」と振り返った。
 農家の購買意欲は高い。今の米価なら息子に継がせられると、ライスセンターを更新する個人農家もいたという。また、小型農機の動きも活発で、小規模農家でも農機を更新する人が増えている。
 現在はどのメーカーも受注生産が主流になっている。そのため同社では、できるだけ製品の在庫を確保した。「通常の販売に困らないように、先回りして多く注文した。メーカーによっては受注をストップしていて確保が難しい製品もあったが、できるだけ種類も数も多めに取り置くようにした」。その甲斐あって、周りの店舗にはないが同社にはあると口コミが広まり成約につながったという。「困ったお客様の力になりたい一心です」と、小関社長は語った。
 昨年から実施した中小企業経営強化税制に関する案内にも多くの農家が申し込んだ。銀行や中小企業診断士とタイアップして顧客の節税対策に協力できる体制をとった。一番大きいものでは、ライスセンターへの機械導入の補助金が通ったという。「今年は節税対策をする人が多かった。今後も販売するだけでなく、節税対策や補助金を使用するお手伝いをしていく」とした。
 同社は、ほぼ中途入社で人材を確保している。それも紹介が主だ。「社員が家族や知り合いなどを紹介してくれる。中には一度退社したが、戻ってくる人もいる。とても助かる」と小関社長。自分自身が満足していなくては、家族など身近な人に職場を紹介することはできない。人にも勧めたい良い職場環境を築く。
 今後の重点項目としては、商品の確保をあげた。「お客様に迷惑をかけない体制を維持し、商品の確保に努める」とした。
小関社長は「早めの推進、早めの受注が重要。今、商品を注文しても、来シーズンに納品が間に合わないものもある。しかし今注文しないと、その次のシーズンにも間に合わない。我々も含め、これまで2年先を考えることはなかった。お客様とともに先を考えていくようにすることが、今後重要になってくる」と、顧客への理解を求めた。
 (株)竹塚機械店(竹塚鋼社長)のこれまでの実績は、前年比増で推移している。「コンバインの動きが好調で、実績を牽引している。特に卸部門も合わせ、4条以上の受注が多い」と竹塚社長。トラクタと田植機も販売は増加しており、トラクタはYT357、田植機は8条植えが主流だ。「米価の高騰で、税金対策のため機械を購入する人が多かった」と、購買意欲の高さを感じている。しかし現在は、計画生産、受注生産が主流のため、店舗に在庫がない限り、すぐに売ることができない。「需要も見込んでメーカーに発注しておかないと、時期中にモノがない。仕入れの仕方1つで売上げが変わってくる。全ての農機がそうなっているため、種類も多い。フォローが大変だ。発注や在庫など、農機の動きに敏感となり、頭を使った1年だった。自分の判断では、見込んだ通りに動け、ロスもなく計画通りだった」と昨年を振り返った。
 現在、店舗で在庫を持たない限り、受注後すぐに納品することはできない。しかも、メーカーの生産能力が限られているため、前もって注文していかなくてはならない。品物によっては、次のシーズンに間に合わないものもある。そのため営業スタッフはもちろん、顧客にも長いスパンでの計画が必要になってくる。「2年後、3年後のことを考えることはこれまでなかった。しかし、今注文しないと納品はさらに遅くなってしまう」と、顧客への説明を徹底している。「営業スタッフがしっかりとお客さんの機械の状況を把握し、ニーズや今後の希望を捉え、今はこちらの農機を更新した方が良いなど優先順位を示し、農機の提案をしていく」と、これまでと全く異なった対応をしていく必要がある。
 ヤンマーが取り扱う作業機ミノスDTM14とYDPシリーズについては、それぞれの特徴に関心が寄せられ、拡販につながっている。
 同社ではミノスDTMの発売当初から実演を積極的に行ってきた。現在は農家に行きわたった感があり、動きは落ち着いている。通常の作業機の3倍のスピードで作業ができるため、効率化という点では同機を導入した方が良いが、土壌条件を選ぶため、実演で試す必要がある。
 一方、YDPシリーズは、圃場を選ばず力強く土起こしができる。湿田質の土壌が多い千葉県内の圃場で活躍できるだろうと、同機のメリットを伝えながら実演を強化していく考えだ。「今期の米価の動きが重要となる。価格によっては農家の購買意欲が下がることも考えられる。訪問によって顧客の情報をどれだけ仕入れられるかがカギとなる。今年は昨年以上に仕入れに気を遣わなくてはならない」と竹塚社長。3月には恒例の展示会の開催を予定しており、すでに新シーズンへの準備は始まっている。

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