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令和8年1月26日発行 第3584号 掲載

データ用いた計画生産/農研機構・つくば植物工場研修会

 農研機構野菜花き研究部門(東出忠桐所長)は19日、都内中央区のTKPガーデンシティPREMIUM東京駅日本橋て、令和7年度農研機構つくば植物工場研修会「需要予測と収量・品質予測による計画的な生産技術」を開催し、全国から生産者など約90名が参集した。一般社団法人日本施設園芸協会との共催。令和4~6年度に取り組まれた農林水産省事業「戦略的スマート農業技術等の開発・改良プロジェクト」の成果のうち、施設園芸の計画生産技術、需要予測技術を中心に紹介し、現状の農業生産の課題や今後の方向性、スマート農業技術の社会実証への道筋について議論した。
 開会あいさつした東出所長は、農林水産省の施設園芸関連の事業について、戦略的スマ農をはじめスマートグリーンハウス展開推進、スマート生産方式SOP作成研究などを紹介し、いずれも施設園芸におけるスマート農業技術の横展開を目指しているが、実際には課題が多く難しいと説明。その背景には、開発したスマート技術を現場でどのように活用するのか、また、具体的な導入メリットは何かが理解されていないことなどがあると述べ、今回の研修会でそれらが共有されるのではと期待を寄せた。
 続いて、▽計画達成型栽培管理ツール開発のねらいとツールの概要(農研機構野菜花き研究部門・山崎敬亮氏)▽計画達成型栽培管理ツールを活用した栽培実証(愛知県農業総合試験場・山田健太郎氏)▽農産物直売所における野菜の需要予測モデル(農研機構基盤技術研究本部農業情報研究センター・岸茂樹氏)▽農産物直売所をターゲットとしたM:Nマッチングの展開(東京科学大学情報理工学院・田中圭介氏)―の4講演と総合討論が行われた。
 山崎氏は、戦略的スマ農事業では、国内施設園芸で大宗を占める中小規模生産者が意識せず実践できる「データ利用による需要予測に基づいた品質と量を計画的・効率的に生産・流通するデータ駆動型農業体系」の仕組みづくりとして、作付け前から生育中、出荷中までデータ連携するシステム開発を進めたと説明。その要素技術として開発した計画達成型栽培管理ツールを紹介した。
 これは生産者が「糖度5のトマトを30トン作りたい」など収量・品質の目標を、栽培情報や昨年の環境情報などとともにデータ入力し、さらにハウス内環境や外気温など取得したデータを組み合わせてAIが最適条件の探索を行い、目標を達成するために必要な栽培管理方法(栽培レシピ)とシミュレーション結果を提示するもの。生育中に計画の変更もでき、何度も計算結果を出力できるため細やかな環境制御の設定が可能となる。山崎氏は同技術の活用によって事前の需給調整、価格交渉、ブランディング、食品ロスの削減などが可能になるとし、農業データ連携基盤WAGRIとの連携により、サプライチェーン全体の最適化にも貢献できると見通した。

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