温暖化での病害虫対策を考える/日植防がシンポジウム開催

一般社団法人日本植物防疫協会(早川泰弘理事長)は22日、都内北区の北とぴあつつじホールおよびWebにて、シンポジウム「温暖化がもたらす新たな病害虫発生リスクを考える」を開催した。会場には約200名が参集。Web参加の約770名と合わせ、1000名近い関係者が集い、気象の変化による病害虫発生状況や農業現場での有効な対策について知見を深めた。
最初に登壇した早川理事長は「近年の猛暑はこれまで異常気象といわれてきたが、毎年続く状況では、既に異常状態ではなく通常状態になっているのではないかと受け止めざるを得ない。このような状況において、病害虫防除がどうあるべきか、本日のシンポジウムが改めて考える機会になることを願っている」と挨拶した。
その後、▽近年の気候変動と病害虫の発生(農林水産省消費・安全局植物防疫課・春日井健司氏)▽温暖化がもたらす畑作病害の発生リスクに関するトピックス(農研機構本部事業開発部・竹内徹氏)▽温暖化による海外飛来性害虫の飛来・発生動向への影響と防除対策(農研機構植物防疫研究部門・眞田幸代氏)▽果樹カメムシ類の近年の発生動向と防除(農研機構植物防疫研究部門・三代浩二氏)など6講演および総合討論が行われた。
まず、農林水産省で植物防疫を担当する春日井氏が、近年の病害虫の発生動向や農業現場における課題と対応などをテーマに登壇。春日井氏は、日本の気候変動の現状や、それによる病害虫の発生状況の変化などにふれたうえで、農業現場における病害虫防除の課題として、気候変動の影響のほか、薬剤抵抗性病害虫のまん延や農業従事者の減少・高齢化による管理の粗放化などをあげ、「年々、病害虫防除が難しくなる中、『予防・予察』に重点を置いた総合防除の実践が重要」と述べた。
農研機構の竹内氏は、コムギ赤かび病、コムギ眼紋病、ダイズ葉焼病の3つをトピックスとして取り上げた。このうちコムギ赤かび病については、開花始から1週間が防除の最重要時期であるとし、研究試験結果などから、薬剤2回散布の場合、1回目は開花始に、2回目はその1週間後に実施するのが最も効果的であることを示した。なお、散布予定日に降雨が予想される場合は前倒しで散布することがポイントであるとし、防除適期の見極めが非常に重要であると強調した。









