インタビューケース1:自然農法の営農邁進(瑞宝・青森)/クボタ・GROUNDBREAKERS2026

先進農業経営者へのインタビューケース1では、青森県中泊町で米50ヘクタール、大豆80ヘクタール、ニンニク2ヘクタールを自然農法で栽培している(有)瑞宝(三上裕恵代表取締役)の取り組みが紹介された。「自然農法に出会わなければ農業に従事しなかった。自然農法は人生そのもの」と自然農法に対する並々ならぬ想いを同社の三上智暉専務取締役は語った。
自然農法のこだわりとして、同社では動物性堆肥は使わず、植物性堆肥のみを栽培で使う。これは籾殻、米ぬか、水を主体に、栽培の過程で出るくず大豆、くず麦を混ぜて約8カ月熟成させたもので、「微生物の力で肥料を作っている」感覚という。植物性堆肥は先代(三上専務の祖父)から受け継いだものを三上専務が工夫を凝らしながら、今では土壌診断のデータを基に、施肥設計および堆肥の作り方、堆肥の投入量の調整を行っている。平成5年の冷害の時は先代の圃場だけが平年並みに米が収穫でき、慣行栽培の圃場では穂が垂れず、立ったままの状態だった。
三上社長は、「この状況を見て、先代(三上社長の父)は自然農法による米の栽培に確信をもったと思う」と話す。このような自然農法だが、これを維持するには雑草対策が必須となる。三上社長は、「田んぼに生える雑草の種類は変化する。そのため今どんな雑草が生えているのかを常に確認する。それから次の作付け品目を決めていく」と話す。
三上専務は、「初期除草が重要で、雑草の芽が出るか出ないかぐらいで除草作業をする。作業にはカルチを使い、10ヘクタールにつき4~5回の作業が理想だ」と話す。広大な面積の除草に同社は腐心するが、現在、(株)みちのくクボタと青森県の試験場と連携して除草体系の確立に努めている。
みちのくクボタの担い手推進企画チームの高田浩美顧問は、「現在、あおもり『農業DX』推進事業を青森県から受託している。同社の圃場で同事業の実証をする中、三上専務の有機栽培に対する熱い想いをヒシヒシと感じる。有機栽培についてはこちらが教えを請うほうだ」と話す。高田顧問から栽培・除草体系の助言を受けながら、瑞宝は効率的に自然農法を展開している。
三上専務は、「これらの体系確立を支えてくれるのがクボタのKSAS。これを使えば可視化と情報共有がスムーズにできる。今後は全国各地に自然農法の拠点を作りたいという夢がある」と語った。









