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令和8年1月26日発行 第3584号 掲載

テーマコンテンツ:暑さに適応する農業/クボタ・GROUNDBREAKERS2026

 「GROUNDBREAKERS」のテーマコンテンツでは、2つのテーマが発信された。そのうち「地球温暖化は敵か味方か!? 暑さに『適応』する農業」をみる。地球温暖化が年々進み、夏の猛暑や夜間の高温、突然の豪雨が当たり前になりつつある。こうした環境の変化は農業にとって大きな試練だが、その一方で「この変化をどう活かすか」という前向きな視点も生まれている。番組では、水稲の「再生二期作」を研究する農研機構の中野洋氏を招き、温暖化と共に歩む農業の姿を探った。
 番組の冒頭、司会のクボタ・清川綾乃氏と黒川貴登氏は、近年の暑さが農家に与える影響の大きさに触れながら、「温暖化とどう向き合うか」をテーマに議論を進めた。VTRでは、世界の平均気温が産業革命前から約1・5度C上昇し、2024年が観測史上最も暑い年となったこと、日本でも3年連続で「史上最も暑い夏」を更新したことが紹介された。水稲では高温による登熟障害や白未熟粒の増加が深刻化し、1等米比率は過去10年で約5%低下。将来的には収量が現在の8割まで落ち込む可能性も示され、温暖化が農業に与える影響の大きさが改めて浮き彫りになった。
 こうした状況に対し、中野氏は「高温に耐える技術」と「高温を利用する技術」の両方が必要だと語る。前者の代表例が高温でも品質が落ちにくい品種「にじのきらめき」の育成と普及だ。一方、後者は「再生二期作」である。これは1回目の収穫後に残った切り株から再び稲を育て、2回目の収穫を行う技術で、温暖化によって春や秋の気温が高くなり、生育期間が延びたことを逆手に取ったものだ。
 実際に再生二期作を導入している千葉県柏市の柏染谷農場では、今年から本格的に取り組みを始めた。代表の染谷茂氏は、以前、刈り取り後に再生した稲穂が驚くほど立派に育った経験があり、「これなら二期作もできるのでは」と興味を持ったことがきっかけだったという。再生二期作では、一期作目の刈り取りを通常より高い40センチで行うことが収量増の鍵となる。切り株に多くの葉が残り、デンプンや糖が蓄積されることで休眠芽が活性化し、穂数が増えるためだ。
 中野氏によれば、早期田植えも重要で、4月に植えた場合は5月植えよりも二期作目の収量が大きく向上するという。施肥管理も欠かせず、刈り取り前後の適切な追肥が粒の充実に直結する。一方で肥料のやり過ぎはタンパク質増加による食味の低下を招くため、慎重な管理が求められる。
 再生二期作では、二期作目の稲が背丈の低いことから汎用コンバインの活用が一般的だが、選別精度や損失割合に課題があるとされる。クボタは汎用型コンバイン「DRH1200」を使用し、収穫時の無駄が自脱型と比べても遜色ない水準に収まることを確認したという。
 また、踏圧を抑える自動運転技術「匠刈り」の実証も進めている。踏み跡が少なければ生育の遅れを防げるため、収量向上にもつながると期待されている。
 番組では、一期作と二期作の米を食べ比べる場面もあった。見た目はほとんど変わらず、味も「違いが分からないほど美味しい」との評価。条件が整えば、二期作でも通常品種と遜色ない食味が得られることが確認された。ただし、田植えが遅れて二期作目の登熟期に十分な気温が確保できない場合、米が硬くなることもあるため、適期作業が重要だという。
 染谷氏は「今年が初めての挑戦。どうすれば収量が上がるのか、ロスを減らせるのか、これからもっと勉強したい」と意欲を語った。中野氏は、地域によっては水が使える期間が限られるため、短期間でも再生二期作が可能な品種の選定が今後の課題だと話す。
 温暖化は避けられない現実だが、その変化を受け入れ、柔軟に適応し、新たな可能性を切り開く農業の姿がここにある。暑さを「敵」として恐れるだけでなく、「味方」として活かす発想が、これからの日本の農業を支える力になるのかもしれない。

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