農機販売会社を訪問:中古市場活況/欧州視察から 独仏の農業事情(完)

ドイツでのアグリテクニカ、クラース社の見学を終え、視察団一行はフランスに向かった。フランスでは農機販売会社と個人農家を訪問。4日目の午前中はパリから西へ約100キロほどの場所に位置する農機販売会社「レ・ゴフ&ジル」を訪れた。同社社長のレミ・ジル氏に話を聞くことができ、店舗の展示スペースや整備工場、店内の小物売り場などを案内してもらった。農家が用いる大型農機は欧米のメーカーが主流。自治体が緑地や庭園を整備するのに使う小型機械は、日本をはじめアジアのメーカーが主流となっており、それぞれ積み重ねてきた歴史とノウハウによってすみ分けがされている。同社はムソーヌーヴェルの本社とその他に2拠点を構え、総売上げは年間600万ユーロ(約11億円)。内訳は、販売部門が70%、修理整備が15%、部品が15%となっている。従業員は、営業担当が3名、メカニックが15名、部品担当が4名。営業社員は各150軒の農家を担当し、同社では計450の顧客を管理。また、工場以外で修理・整備ができる部品や工具を積載したサービスカーを6台所有し、顧客先でのサービス業務を行っている。フランスの農家は大型機械の場合、5年ほどで更新する。使用時間は、穀物栽培が年間400時間、酪農は年間1000時間。フランスでは、これまで使用した農機を売って、新しいものに買い替える農家が多い。そのため中古市場は活発だ。農家の1軒当たりの作付面積の平均は100~150ヘクタール。農家によっては1000ヘクタールになる所もある。家族経営の農家が多く、大型機械を使用することで2人で500ヘクタールを管理できるという。本社のあるノルマンディ地域では、菜種、小麦、ジャガイモ、トウモロコシ、綿などが栽培されている。フランスも日本同様、離農が増えており、10年で50%減となっている。EUからの補助金も出ているが、歯止めはかからない。減少の理由は主に高齢化と説明されたが、フランスの農業従事者の平均年齢は55歳だと聞いて驚いた。日本では会社を退職し60歳から農業を始める人がいると説明すると、逆にジル社長が驚いていた。団員は、経営、農家、作物、農機市場など、様々なことに対し積極的に質問し、ジル社長も熱心に答えてくれた。農家に近い現場の生の声は、共感できるところ、全く新しい考え方など、団員にとっては知見を深める良い機会となっただろう。整備工場には、日本のメーカーの農機が整備に出されていた。異国の地で思いがけずに日本の農機に遭遇した団員は、嬉しそうに整備の様子を見学していた。今回の視察では会社、業務、地域などが異なる団員間の関係が深まり、帰国後も情報交換し新たな取り組みにつなげるなど、特別で有意義な視察になった。









