ササキの超耕速シリーズを愛用/農家ルポ・鈴木ファーム(青森県八戸市)

高い作業精度はそのままに、作業のスピードアップによって生産性向上、コスト縮減を図る――(株)ササキコーポレーション(青森県十和田市)が供給する、超耕速シリーズの開発コンセプトになる。昨年、ササキコーポレーションの超耕速シリーズを活用して、130ヘクタールの稲作を滞りなく進めた鈴木ファーム(株)(鈴木勝弥社長・青森県八戸市)を訪ね、その機能評価や営農方針を鈴木社長に聞いた。
鈴木勝弥氏が父とともに10ヘクタールの稲作農業に就いたのは16年前。そこから12・5ヘクタール→40ヘクタール→80ヘクタールと拡大し、大きくなるごとに姉、兄が営農に加わり、株式会社の体制に変更したのが7年前。現在は役員3人、従業員3人、パートの常雇1人、春の田植えから稲刈りの間の季節雇用1人の体制。周辺は、高齢で辞めたい、跡取りがいないなど、規模拡大を進めるには容易な環境で、基本「来るもの拒まず」(鈴木氏)の方針とはいえ、効率を考えれば「あまりに条件が良くないところは返そうかな」という思いも頭をもたげる。地域農業全体をみれば、楽観できない状況にあるのは確か。
取材当日(2025年12月19日)は、ササキコーポレーション・超耕速シリーズの代かき機「マックスハローACE」および畦塗機「カドヌールACE」の納品日に重なり、すでに真新しい両機が格納庫に収められていた。畦塗機に関しては6年前からササキのユーザーであり、昨春、同社のアクティブロータリー、ブロードキャスタの実演を行った際も即導入を決めたというササキ愛用者の鈴木氏。
「作業する圃場の半分ぐらいは軟らかい田なので、それに対応できる作業機かどうかが重要。ロータリーの試乗で良さを確認でき、速度を上げてもきれいに仕上がる。他社製品も使っているが、そちらは時速3・5キロぐらいの作業で、超耕速のように時速5・5キロは出せない。スピーディー作業での仕上がり具合が全然違うし、株をしっかりすき込む。土をこなす回数が多いんだろうね」と話し、「こっちがやりたい速度に幅広く的確に応えてくれるのが超耕速シリーズの長所」と指摘した。
また、ハローに関しては刃(爪)の形状や土流を最適化する機構などによって、他社の機械とは違う性能を発揮するといい、畦塗機では「湿田専用の位置づけで使っている。確実に塗っていけるし、オフセットの関係で重宝している」など、各機種・各機構への理解の深さをうかがわせる言葉が並ぶ。
栽培品種「まっしぐら」の昨年の単収は平均8俵。良い気象条件ではなかった上に、土壌内窒素分の関係で一部倒伏が出たり、満足できる状況ではなかった。施肥の工夫など栽培面での改善を加え、また、効率化、安定化に向け、スマート農業に関連するハード、ソフトのさらなる活用はもちろん、様々な機械を揃えている強みを活かして、条件変化に合わせていく考え。
「収量コンバインを使っているが、データの蓄積がないと活かし切れているとはいえない。そのための人材をどうするかなど、結局は人の問題が大きい」と強調する。
話を聞いた応接室の窓外には、翌日初めてイベントに出すという「KOME」の文字を大書したキッチンカーの姿。食品関係の仕事に就いていた姉の担当とのことだが、生産部門の農と、消費者に身近な食の世界を経営に取り入れる第1歩になる。
「どんな仕事をやるにしても大事なのは人。今はキッチンカーと営業で人を雇おうかなと考えている」と、これからの行き先は、稲作を中心に幅広い世界が描かれているようだ。









