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令和8年1月19日発行 第3583号 掲載

広がるロボット・リモコン草刈機/日農機協・農業機械化フォーラムから

 一般社団法人日本農業機械化協会(菱沼義久会長)は昨年12月11日、埼玉県の農研機構農業機械化研究部門にて「2025農業機械化フォーラム」を開催した(既報)。「ロボット・リモコン草刈機の開発・普及の展開」をテーマに掲げ、ロボット・リモコン草刈機の可能性に焦点を当てた。メーカー7社による最新草刈機の実演・展示が行われた後、講演会を実施。国や研究機関による基調講演で草刈機の研究開発・展開方向について示された後、メーカー各社による草刈機の話題提供が行われた。これには農業者をはじめ、都道府県関係者など約130名が参集した。ここでは、講演概要の一部をみる。
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 (株)アテックス取締役・重見和男氏は「ハイブリッドラジコン草刈機『神刈』開発・実用化への取り組み」と題して講演。同社は果樹・野菜作におけるロボット開発をはじめ、様々な省力化を図るべく開発に取り組んでおり、草刈機については歩行草刈機「刈刃王ハンマーシリーズ」、乗用草刈機「刈刃王シリーズ」、ハイブリッドラジコン草刈機「神刈シリーズ」などを開発。神刈は、走行はモーター、草刈り作業はエンジンの仕様で、作業傾斜角度に応じてエンジン傾斜自動制御を搭載し、最大傾斜角度45度を実現した。電動車や草刈機、運搬車の従来技術と、無線操縦制御技術、ハイブリッド充放電技術など新技術を融合し試作を重ね、2019年より販売開始。スマホと連携してメンテナンスの告知や緊急時のスマホ操作などもできるようになっている。
 また、新商品として有人監視型の自動雲煙ハイブリッド草刈機RJ705ROBも2025年夏より販売開始したと語った。
 一方、(株)オーレック第3開発部課長・渡邉崇氏は「急斜面を安全に草刈するためのラジコン草刈機の開発」と題して、傾斜に強いラジコン草刈機「スパイダーモアーRC」を紹介した。同機のコンセプトは「スパイダーモアーをラジコン式に」で、小型・軽量・傾斜に強いという3つの特徴を持つ。基本性能は(1)走行はモーター、刈り取りはエンジンのハイブリッド方式(2)草刈りに必要な全ての動作をプロポ遠隔操作で完了して安全(3)独自クローラで最大傾斜対応角45度を実現―などであり、さらに傾斜やAMS(エンジン監視)等のアシスト機能も備えるという。
 普及に向けては、ソーラーパネル下など農地以外の場所・目途での使用に裾野を広げたほか、各地域でのスマート農業の展示会や実演会に参加し周知に努め、ラジコン草刈機の使い方動画も公開したなどと述べた。
 キャニコムブランディング企画部・辻正和氏は「ロボット・リモコン草刈機の開発・普及の取組」を講演。同社のラジコン草刈機は2009年発売の「クロカン・ジョージ」をはじめ、コンパクトながらも急傾斜で刈取りできる「アラフォー傾子」を2022年に、コンパクトで持ち運びしやすい「アラサー傾子」を2025年に発売した。アラフォー傾子の特徴は、鉄道沿線や高速道路の法面などの急傾斜地に特化したことだという。エンジンや足回り(クローラ)を工夫し、最大傾斜45度でも安定して作業可能。一方のアラサー傾子の特徴は、誰でも使えて、どこへでも軽トラで運ぶことができ、坂も登り、小型で、小回りの効くこととした。普及に向けては、CCS(キャニコムコンサルティングサロン)と題して、全国の耕作放棄地や河川などで安全研修・実演会を実施。また、個別実演や展示会への参画なども積極的に行っているなどと述べた。
 (株)ササキコーポレーション取締役技術開発部長・甲地重春氏は「電動リモコン作業機スマモの開発・普及への取組」を講演。スマモは走行ユニットにアタッチメントを取り付けることで様々な作業ができる電動作業機となっており、走行ユニットは全高40センチで全国の太陽光パネルの下などでも作業可能とした。これに草刈アタッチを取り付けたのが今回のスマモ+草刈アタッチで、刈幅716ミリ、刈取刃フリーナイフ刃8本、刈取適応草丈は300~500ミリ。全高が低く小回りが効くので、果樹園や茶園などで広く活用されているという。
 その他、スマモのアタッチメントとして際刈アタッチや畦草刈アタッチがあり、前者は障害物の際に沿って草刈り作業ができ、後者は畦上面や法面での草刈り作業ができるなどと語った。
 本田技研工業(株)PP電動事業課課長・田淵陽之氏は「ロボット草刈機Miimoについて」紹介。Miimoは、草丈を常にきれいに、一定状態を保つ製品。同機がエリアワイヤー内を自動でランダムに走行・草を刈り、設定した草丈をキープ。充電が必要になれば自動で充電ステーションに帰還して充電する仕組みになっている。欧州向けロボット芝刈機をベースに、日本専用の草刈対応モデルを日本市場向けに開発し、除草作業の大幅な軽減を求めるユーザーをターゲットとしている。
 Miimoの特徴は、(1)高い刈り性能(2)幅広い環境下で走行可能(3)安心・安全で任せられる(4)長く使える耐久性(5)遠隔操作で簡単・便利―などがあり、敷地管理者の負担を大幅に軽減すると説明。また、現在、農研機構東北農業研究センターとロボット草刈機が果樹に与える影響を共同研究しており、今後も開発・研究を継続していくなどと述べた。
 (株)やまびこ開発本部商品企画部商品企画第一課主査・田中剛氏は「ラジコン草刈機RCM601のご紹介」を発表。同機は2023年に発売したRCM600の後継機としてモデルチェンジしたもので、エンジンによる発電で走行も刈刃もモーター駆動というハイブリッドシステム。刈刃調整範囲は刈高50~115ミリ、使用最大傾斜角度は全方位で最大45度を誇り、男性3人で持ち上げられて軽トラに載るコンパクトな車体サイズ。その他の特徴として、▽50ボルトバッテリーで500メートル走る使い勝手の良さ▽電動昇降式のため、操作を行うプロポから調整可能▽プロポで現在の高さ設定が表示され、刈高さがアップしたことから法肩でも土を削らず草刈りができる▽バッテリーはECHO50ボルトリチウムイオンバッテリーを活用し、やまびこのチェンソーなどと共通であり汎用性が高い▽車体にはLED式で目立つ警告灯が設置され、作業・機体の状態が遠くからでもわかるようになっている―などを示した。

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