アグリ・フードイノベーションフェアを開催/農研機構

農研機構は昨年12月19、20の両日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで「アグリ・フードイノベーションフェア」を開催した。パネル展示や講演などで最新の研究内容を紹介した。
初日に開催したミニシンポジウムでは「食料安全保障を支える技術開発」をテーマに農研機構の6人の研究員が登壇。
冒頭の基調講演では久間和生理事長が「農業・食品版Society5・0の実現―農研機構のR&D戦略と食料安全保障の取組み」と題して発表した。久間理事長は「農業・食品産業は、イノベーションの宝庫であり、伸びしろの大きな成長産業である」と述べ、農研機構の取り組み内容や目標、Society5・0の概念、実現へのプロセスなどについて説明。
農研機構は、世界に冠たる一流の研究組織になることを目指しており、それを実現するためには▽農業・食品産業技術とAI・ロボティクス・バイオテクノロジーなどの先端技術の融合▽行政や産業界、研究法人、大学などとの徹底的な連携強化▽多様な人材の集合体としての研究組織の形成―が重要だと話した。
また、農業機械研究部門の長崎裕司所長が「人と協調する革新的なスマート生産技術」をテーマに発表。長崎所長は、農業従事者が減少している中で、従来の機械化を推進するとともに、AIを駆使するスマート生産技術に進化させていく必要があると強調した。
I字やV字に仕立てた「省力樹形」や農業用追従ロボット「メカロン」などを紹介。省力樹形を園地に直線的に配置することで果実が平面上に結実し、動線を単純化することで栽培管理作業の効率化・軽労化に寄与。機械の利用を促進でき、メカロンも大いに活躍することを解説した。
この他、基盤技術研究本部農業情報・ロボティクス統括役の中川潤一氏が「AIとロボティクスで切り拓く未来の農業」、作物研究部門所長の石本政男氏が「食料安全保障を支える育種革新―経験からデータ駆動へ」、本部セグメントⅡ理事室の古畑昌巳室長が「水田輪作新技術プロジェクトによる新たなエコシステム構想」、本部の高橋清也総括執行役が「デジタルとバイオテクノロジーで進化する食品産業の可能性」と題して、それぞれの取り組みについて発表した。
展示会場では、農研機構の最新の取り組みをパネル展示で紹介。温暖化に強い農作物の品種開発、カイコが作る新素材など、農業・食品に関する多種多様な研究が勢ぞろい。農業用追従ロボット「メカロン」の実演もあり、来場者の興味を引き付けた。
10ミニッツセミナーでは、動物福祉(アニマルウェルフェア)や高温耐性水稲品種「にじのきらめき」などについて、研究員がスライドを示しながら発表した。









