輸出先の多角化図る/政府が輸出拡大閣僚会議

政府は13日、農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議を開き、農林水産物・食品の輸出促進の取り組みについて、農林水産省から報告を受けた。それによると、現在、輸出促進対策として(1)現地系商流への売込みの強化(2)輸出先国の多角化(3)各国・地域の輸入規制の撤廃・緩和の働きかけを行っている。また、日本産品の高付加価値化にも力を入れ、日本の強みを活かした米加工品の例などが紹介された。
農林水産省によると、2025年の輸出額は過去最高のペースで拡大しており、11月までの輸出額で昨年実績(1・5兆円)に迫る勢い。国・地域別では、主要な国・地域の多くで対前年同期比プラスとなっており、品目別にみても、牛肉、米、緑茶など多くの品目で対前年同期比プラスを記録するなど堅調に推移している。
輸出拡大施策の方向性としては、海外需要の拡大に向けた市場開拓と、供給力の向上に向けた輸出産地の育成を車の両輪で推進している。
現地系商流への売込みの強化の状況は、海外における日本食レストラン数が、約18・7万店(2023年)から約18・1万店(2025年)と、調査開始(2013年)以降初の減少になる中、日系の商流だけでなく、輸出拡大余地の大きい現地系スーパーやレストランなどの現地系商流の開拓を推進する必要があるとした。事例として米国大手現地系の新規商流の構築に向け、JETROの商談会が契機となり、東海岸で約110店舗を展開する現地富裕層向け大型総合スーパーが一部店舗で総菜寿司に用いる日本産米の取り扱いを試験的に開始し、現在も継続的に使用。販路開拓に当たっては、民間認証取得、日本産米が持つストーリーの消費者訴求がポイントとなるとした。
輸出先国の多角化の取り組みでは、ALPS処理水放出後の中国の輸入停止措置を受け、水産物(特にホタテ)は、国内加工の強化や輸出先の転換対策を実施。米国等への直接販路の開拓に加え、ベトナム、タイ等の加工地への多角化を推進。現在、中国への輸出が多い農林水産物・食品(アルコール飲料、菓子等)についても今後、多角化を推進していく。また、米国は、我が国にとって、農林水産物・食品の最大の輸出先国だが、本年から相互関税が課されていることを踏まえ、対応していく。
輸出拡大には、日本産品の高付加価値化をアピールすることが有効。日本の強みを活かした米加工品の例として、冷凍寿司・シャリ玉は、調理の簡便さから寿司職人が不足する中でも提供可能。冷凍技術の向上により品質も高く、手軽な本格的日本食として需要が見込まれる。冷凍加工米飯は、大手は日本食の普及に伴い多様化するニーズに対応している。米国の巨大冷凍食品市場では、冷凍加工米飯に韓国産(冷凍キンパなど)が積極進出してきている。米粉は、グルテンフリーで、パン・麺など多様な用途に活用可能。小麦粉と比べ、低吸油のため、日本食の有する「ヘルシー」なイメージともマッチする。冷凍弁当は、国内では、ニーズに応じて商品も多様化しており、海外には、日本産食品をパッケージで訴求可能。外食中心で健康志向を有する消費者に対して栄養バランスの取れた日本食の強みを活かせるとしている。









