圃場の排水改善を/土づくり推進フォーラムがシンポジウム開催

土づくり推進フォーラム(長谷部亮会長、事務局:一般財団法人日本土壌協会)は昨年12月24日、都内千代田区の日比谷図書文化館において、土づくり推進フォーラムシンポジウム「圃場の排水不良に起因する作物生育障害の現状と対策」を開催した。これには会場に70名、オンラインで120名の参加があった。
開会にあたり長谷部会長は、9月に会長に就任して初の公の場であるとして、土作りの推進及び人材育成に注力していくと挨拶。また、近年は気候変動や集中豪雨等の影響により圃場の排水不良が深刻化し、それに伴う作物の生育障害が各地で報告されていると指摘。これは農業生産の安定性や品質確保に直結する重要な課題であり、現場の農業者減少が著しい中でこれまで通りの食料の安定性や品質確保を確保するには一層の工夫が必要であり、その対策案として排水不良対策などがあるとし、今回はそうした新しい技術などを情報発信すると述べた。そのうえで、本シンポジウムが持続可能な農業の実現に寄与することを願うと期待を込めた。
続いて、▽儲かる水田畑作を実現する土壌条件に対応した営農排水対策(農研機構農村工学研究部門農地基盤情報研究領域長・北川巌氏)▽水田転換畑における野菜安定生産を支える排水対策選択手法(岡山県農林水産総合センター農業研究所環境研究室専門研究員・鷲尾建紀氏)▽機械深耕および有機質資材施用による水田転換圃場の土壌改良(広島県立総合技術研究所農業技術センター生産環境研究部研究員・奥村裕紀子氏)▽小麦の耕うん同時畝立て播種による排水改善技術(茨城県農業総合センター農業研究所作物研究室研究員・生井幸子氏)―の4講演が行われた。
北川氏は、今後の食料自給力向上には水田転作による畑作物生産が不可欠であり、畑作物に対する排水改良として暗渠を設置した結果、未設置の隣接圃場に比べ湿害年ではテンサイ・バレイショ・豆・麦などは畑作物全般で減収が抑制された効果がみられたとした。それを踏まえて、圃場条件整備などによる儲かる水田輪作の取り組みとして、(1)基盤整備の実施(2)新しい畑作強化の輪作体系の検討(3)高収量・省力化等に向けた新たな技術導入の取り組み―の事例を示し、そのうち(3)では心土破砕の徹底やブロードキャスタによる小麦の大豆畔間播種、狭畦密植栽培などを提示した。









