茶栽培の新技術紹介/関東農政局がみどり戦略勉強会

関東農政局は昨年12月17日、みどりの食料システム戦略勉強会(第38回)をオンラインで開催した。これは、同農政局が同戦略に関係するテーマについて毎月開催しているもので、今回は「環境にやさしく省力化に資する新たな栽培技術」の2回目。「みどりの食料システム戦略」技術カタログ(Ver.5・0)の中から、お茶の病害虫防除技術および雑草防除技術について紹介した。
最初に登壇した、静岡県農林技術研究所茶業研究センター茶環境適応技術科の鈴木海平氏は、「茶園用病害虫クリーナーによる茶炭疽病の防除」と題して講演。
鈴木氏は、茶園用病害虫クリーナーの開発背景として、茶の輸出拡大や有機栽培茶の需要増加をあげた。そして、有機茶園では化学農薬が使用できず、現状では有効な病害虫対策がほとんどないことが大きな課題となっていると説明。
茶園用病害虫クリーナーは、従来の乗用型捕虫機の送風ノズルを改良し、低い位置から上向きに送風できるようにした。これにより、樹冠内に隠れた害虫や病葉も袋に収容できるようになり、従来機の防除対象だった新芽のヨコバイ、ダニに加え、樹冠内部のアザミウマや炭疽病葉にも対応可能となった。
鈴木氏は、炭疽病の防除効果を実証するための現地試験の結果も報告。秋冬番茶摘採前の炭疽病発病葉数を慣行区と比較したところ、クリーナー処理区では炭素病の発病が半減したことが確認され、特に萌芽前および萌芽期にクリーナー処理を施すことで、大きな効果が期待できるとした。
茶園用病害虫クリーナーは現在、(株)寺田製作所からノズルユニット「茶園クリーナー」として販売中。今後、害虫防除への活用など用途拡大を検討し、さらなる改善を進めていくとした。
続いて、カワサキ機工(株)開発部の鈴木智久氏が乗用型蒸気除草機を紹介。同機は、蒸気を利用して雑草を除去するもので、(株)伊藤園、鹿児島大学などとの共同研究により開発された。開発に当たっては生産者の要望を聞き取り、耐久性や作業能力、消耗部品の少なさなども意識したという。
蒸気除草機は、雑草の種類や特性に応じ、静岡、三重、鹿児島で実証試験を実施。その結果から、▽速効性がある▽除草効果は除草剤には劣るが、刈払機とは同等以上▽蒸気除草を1年以上継続した圃場では雑草の減少を確認▽飛び石リスクを気にせず作業可能―など、様々なメリットがあることを示した。
その後、農研機構植物防疫研究部門果樹茶病害虫防除研究領域果樹茶生物的防除グループグループ長補佐の山田憲吾氏が、2つの講演を受けてコメント。茶栽培における新たな技術の導入が、持続可能な農業の実現に向けた重要なステップであることを強調した。









