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令和8年1月5日発行 第3581号 掲載

高い購買意欲継続/日農工部会長がみる2026年農機需要見通し

 一般社団法人日本農業機械工業会(増田長盛会長)の機種別部会長から寄せられた年頭所感から、令和8年の農機需要見通しをみる。
 〈トラクタ〉
 2026年のトラクタ市場の見通しは、個人農家向けの小型クラスは減少傾向が続くと予想されるものの、25年産米の米価上昇による収入増から、担い手農家の投資意欲は維持すると見込んでいる。特にスマート農業技術の導入率は年々高まっており、自動操舵やロボット農機、乾田直播の普及が進むことで、農業現場の生産性向上と省力化が一層期待される。
 一方で、記録的な猛暑や渇水などの異常気象リスクは今後も続くと見込まれ、作物の品質や収量への影響が懸念される。高温耐性品種の導入やスマート農機の活用によるリスク分散が重要となり、資材費や原材料価格の高止まりも引き続き注視が必要。農政面では、みどりの食料システム戦略を基本とした環境負荷低減や、スマート農業技術活用促進法などの施策により、農機の大型化やスマート農機の導入は更に進むと見込まれる。以上のような状況から、2026年のトラクタ全体の需要は、2025年比99%を見込んでいる。
 〈管理機〉
 今年の市場は、農家向けは高齢化と後継者不足の懸念がある半面、農業収益が安定した農家からの需要が下支えすると期待している。一般消費者向けは、物価の上昇を背景に消費者心理の悪化が懸念されるが、ホームセンターでの販売が市場を後押しすると見ている。このような状況を踏まえ、令和8年の需要見通しは令和7年比98%と見込んでいる。
 市場環境は引き続き厳しい中ではあるが、管理機部会として日本製品が誇る高品質や高耐久、さらに地球環境及び安全面に配慮した製品を提供し日本の農業および業界の発展に貢献したい。
 〈田植機〉
 田植機市場においては、残念ながら農家戸数の減少には歯止めがかかっていないが、米価の上昇により農家の購買意欲が喚起されたことに加えて、社会全体がインフレ基調へと転換する中で各社、苦渋の価格改定に踏み切ったことにより生じた駆け込みが需要を底上げして活況を呈し、令和7年の需要見通しを前年比112%と見込んでいる。
 今後の米価の動向や農業政策に注視が必要ではあるが、本年は昨年の米価上昇による農家の投資意欲向上のもと、様々な農政の力強い後押しを受けて、省力化や環境負荷低減に資するスマート田植機のますますの普及が期待される。
 一方で、小型クラスを中心に高齢化や離農、価格改定需要の反動減も予想され、また急速に注目が高まっている直播の普及も注視する必要があり、令和8年の需要見通しについては対前年比94%と予測した。
 農機市場のみならず社会全般の産業構造や経済動向が大きく変化する変革期を迎え、エネルギーや環境配慮など対応すべき課題が山積しているが、このような時代において、改めて食料安全保障の重要性から農業に対する注目と期待がますます高まっている。
 〈収穫機〉
 本年の需要見通しは、高市政権発足に伴う農業政策の転換に注視が必要。また、米価高騰に伴う米離れ、米余りの動向を懸念しているところ。大型クラスは、スマート農機への関心の高まり等の要因から、今後も担い手層の投資意欲向上に期待している。
 一方、小型クラスは、米価上昇のプラス要因はあるものの、小規模農家の離農等により2、3条クラスを中心に前年を下回ると見込んでいる。
 米価の動向によらず、担い手農家への農地集約が加速している現状では、農作業の省力化・省人化を目指した、スマート農業関連商品の導入が更に進んでいくと思われる。スマート農機単体での活用のみならず、自動操舵では作業軌跡の他機種への連携による作業省力化や、営農情報の活用による圃場管理、メンテナンスへの情報活用など、農作業トータルでの利便性向上の提案を目指していく。
 〈作業機〉
 本年の見通しとしては、米価の動向には注視が必要だが、水田関連機械や草刈機関連の需要は引き続き堅調に推移するとみている。全体としては、小型クラスの需要は減少傾向が続く一方、省力化につながる大型クラスは堅調に推移すると考えている。以上のことから、今年は対前年比108%と予測した。
 〈乾燥機〉
 大規模農家層を中心に設備更新の需要は堅調に推移すると見ている。一方で、小・中規模農家では減少傾向が予想される。また、減産体制が続いてきたため、需要に対して供給が追いつかない状況は続くと見ている。米価の安定は好材料だが、資材費や人件費の上昇に加え、今後の農業政策や輸入米の動向などにも注視が必要と見ている。以上のような状況から令和8年の需要見通しは、対前年比100%と見込んでいる。

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