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令和8年1月5日発行 第3581号 掲載

農業の構造転換を/センサスが示した日本農業の現状

 昨年の農業をめぐるトピックの1つに「2025年農林業センサス結果の概要(概数値)」が公表されたことがあげられよう。これは国が5年ごとに実施している基幹統計調査であるが、農林業センサス2025では、この5年間で農業経営体が24万7000(23・0%)減少し、基幹的農業従事者は34万2000人(25・1%)減少した事実が示された。これは比較可能な1985年以降のデータで過去最大の減少率となっており、まさにこれから、日本農業は誰がどのように担っていくのかという大問題が改めて突きつけられた形である。農林業センサス2025結果概要を今一度紐解き、日本農業の現状について眺めてみる。
 昨年11月末に公表された農林業センサス2025概要(概数値)をみると、昨年2月1日現在における基幹的農業従事者は102万1000人となり、5年前に比べて34万2000人(25・1%)減少した。減少の約7割を65歳以上が占めており、農業人口の高齢化が減少の主な要因とみられる。農業従事者の平均年齢が67・6歳であることを鑑みると、今後も高齢化の進行等により、農業従事者が一層減少していくことは避けられない。
 これに対する農林水産省の対応としては、鈴木憲和農林水産大臣は昨年12月の記者会見で「農業の構造転換を速やかに進める必要がある」と述べた。そして「将来にわたって日本の食料を安定供給していけるように、まず営農して稼ぐことができ、暮らしていける農政を展開する。地域農業の担い手の育成・確保を進めていくことが急務」とし、「地域計画のブラッシュアップ等を通じて、新規就農支援や既存の担い手の規模拡大、地域外からの担い手の参入や食品企業をはじめとする法人の農業参入等の推進に引き続き取り組んでいく」などと対応策を語った。
 鈴木農相が語る農業の構造転換は、食料・農業・農村基本計画で掲げている担い手への農地の集積・集約化や49歳以下の担い手の確保、農地の大区画化・スマート農業技術の導入などによる生産コストの低減ならびに1経営体当たり生産量の向上などが具体的内容としてあげられるだろう。
 農林業センサス2025においても集積・集約化やスマート農業技術の導入が進んでいる状況がデータとして示された。団体経営体は3万9000経営体となり1000経営体(2・9%)増、うち法人経営体は3万3000経営体で2000経営体(7・9%)増加した。団体経営体に占める法人経営体の割合は84・0%(4・0ポイント増)。法人経営体の内訳は会社法人が2万3000経営体で、5年前に比べ3000経営体(14・4%)増加している。
 また、経営耕地のある農業経営体の1経営体当たりの経営耕地面積は3・7ヘクタールで、5年前に比べ19・4%増加。地域別では、北海道34・5ヘクタール(5年前比14・2%増)、都府県2・6ヘクタール(同18・2%増)となり、全国で担い手への農地集積・集約が一層進んでいるのが見て取れる。
 経営耕地面積規模別に農業経営体数の増減率をみると、北海道では100ヘクタール以上層で、都府県では10ヘクタール以上層で農業経営体数が増えた。北海道では100ヘクタール以上が7・7%増えたのに対し、100ヘクタール未満は軒並み減少。都府県は10~20ヘクタールが2・8%増、20~30ヘクタールが11・9%増、30~50ヘクタールが15・8%増、50~100ヘクタールが22・1%増、100ヘクタール以上が45・8%増となっている一方で、10ヘクタール未満は総じて減少している。
 また、農業経営体の経営耕地面積を規模別にみると、20ヘクタール以上の農業経営体の経営耕地面積が全体の51・0%(同6・7ポイント増)と過半数を占めている。特に100ヘクタール以上が15・7%(同4・6ポイント増)と伸びが著しい。
 一方、データ(気象状況、市況、農作業履歴、生育状況等の情報)を活用した農業を行っている農業経営体数は33万1000経営体で、農業経営体に占める割合は40・0%となった。うち最も多いのは「気象・市況等のデータを見て農業」の29万9000経営体、次いで「農作業履歴等のデータをパソコン等で記録」が9万9000経営体、「データ分析を活用した営農上のサービスやサポートを利用」が3万3700経営体、「機器・センサーを用いて生育状況等のデータを計測・取得し分析」が2万4000経営体となっており、データを収集・分析したうえでそれを次の営農改善に活かす本格的なデータ駆動型農業を行っているのはごくわずかであることが見て取れる。
 他方、新しい基本計画において、食料安全保障の確保を進めるうえで、重要な柱として位置づけられている輸出の促進については、農産物の輸出を行っている経営体は8388となり、農業経営体全体の1・0%とごくわずか。さらに農業生産関連事業の加工品等の輸出を行っている経営体数は966であり、全体の0・1%となっている。
 その他、農林業センサス2025の項目をみると、販売目的で水稲を作付けした農業経営体数は53万3000経営体で、5年前に比べ18万1000経営体(25・3%)減少した。水稲作付面積規模別に農業経営体数の増減率をみると、5年前に比べ15ヘクタール未満の各層では減少しているものの、15ヘクタール以上層では増加した。 また、農産物販売金額規模別に農業経営体数の増減率をみると、5年前に比べ3000万円以上層で農業経営体数が増加している。

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