アグリテクニカ・イノベーション・アワード受賞機の技術光る/欧州視察から 独仏の農業事情(3)

今回は、アグリテクニカ2025のイノベーション・アワードなど、各賞の概要や一部の受賞製品について紹介したい。
DLG(ドイツ農業協会)「アグリテクニカ・イノベーション・アワード」は、実用化に向けた革新的製品・技術や既存手順が大幅に改善された製品などに授与され、農業における近代的な農業機械の価値を際立たせるもの。
アグリテクニカに出展するすべての企業は、自社の革新的な技術を用いてDLGイノベーション・アワードに応募できる。今年は251の応募があり、そのうち234件がノミネートされた。
そして、DLGが任命した中立的な審査員が厳格な基準に基づき審査を行い、ノミネートされた製品の中から、イノベーション・アワードの受賞者を選出した。今年は金メダル2件と銀メダル22件が選出された。
DLGイノベーション審査委員長のマルクス・デメル氏は「同アワードは世界一の農機展示会であるアグリテクニカにあって、農機産業において世界で最もイノベーティブな賞となる。金賞は、機能性が決定的に変化し新たなプロセスを生み出すことや、既存のプロセスを大幅に改善する新たなイノベーションに与えられるもので、今回はミュラー社の『Line Traction』と、クラース社の『70トン級大型ベーラの全体コンセプト』が受賞した。応募作は皆、素晴らしい。また、たくさんの応募をいただいたことは嬉しい限り」と、受賞製品について語った。
【金賞受賞概要】
◎金賞=ミュラー社「Line Traction(ライントラクション)」
▽概要=同社が開発した全く新しい「ライントラクション」駆動コンセプトは、遊星歯車機構のファイナルドライブに置いて、従来一般的であった前後方向及び横方向の差動装置に代わる油圧システムを採用。これにより、コーナーリング時に各車輪を適切な速度で駆動することが可能となり、トラクションが大幅に向上し、限界域での安全性が飛躍的に向上した。
◎金賞=クラース社「70トン級大型ベーラの全体コンセプト」
▽概要=同社が全面的に再開発した70トン大型ベーラーのコンセプトは、高い処理能力と高いベール密度、そして確実な結束を両立させ、このタイプの機械に全く新しい性能次元を確立した。
デメル氏は今後の農機に求められるものについて「オートメーション化と正確さがカギとなる。作業者をオートメーション化によってサポートすること。そして様々なセンサー・カメラ・AIなどで農薬や肥料を正確に使用し、また、正確に収穫することで、資材、作物の無駄を減らすことにつながる」とし、技術の進歩に期待すると語った。









